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悪役令嬢になるのも面倒なので冒険に出かけます(仮)  作者: 綾月百花
2   冒険に出ます
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2   森の中


 隣の国まで、かなりの距離がある。ビエント様に会いたかった。自分で魔術の練習をして飛べるようになれたし、簡単な攻撃魔法も使えるようになった。

 暗くなってきて、リリーは森の中に降りていく。鳥が飛び立ち、リリーはバランスを崩して落下した。

「いてて」

 旅行鞄が壊れてはいなくて、ホッとする。

 森の中を歩いて、鞄は重さを感じない程度に浮かせていく。木こりの山小屋だろうか、小さな山小屋を見つけて、リリーは一応ノックするが誰も出てこない。扉には鍵がかけられてはいなかった。

 小屋の中に入ると、鞄を床に降ろした。

 扉を閉めて小屋の中を見回す。誰もいなく、やはり木こり小屋のようだ。部屋の扉を開けていく。

「あら、ベッドがあるわ」

 小さなキッチンもあり、なかなか住み心地が良さそうだ。

 リリーはそこを第一の拠点にした。

 鞄を小屋に残し、森の中の探索に入る。少し離れた場所に川があり飲み物も手に入れられそうだ。

「ウインドウシュートス」

 手から勢いよく風が出て、木の葉がハラハラと落ちる。

 両手を前に出すだけで、魔術が出るようになった。

 軽い風なら、心の中で呟くだけで魔術を発動させられる。

「もうちょっと早く飛べたらいいのにな」

 暗くなるまでに小屋に戻り、内鍵をかけて、バケットを千切って、ジャムをつけて食べる。

「お風呂に入れないのは辛いわね。明日は町に出てみようかな」

 リリーはベッドに横になり、体を丸める。掛け布団はなかった。少し肌寒く、風邪を引きそうだ。

 外では雨が降り出している。

 本降りで風も強い。明日は外に出られないかな?

 取り敢えず雨宿りができる小屋があって良かった。

 自宅から持ってきたバケットは少しずつ食べているが、雨が止まないと出られない。

 一週間雨が続き、やっと外に出られた頃には、バケットはなくなっていた。


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