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10   アトミスの結婚式


「アトミス、結婚おめでとう」

「ありがとう」


 街の教会で結婚式が行われた。

 真っ白なウエディングドレスを着たアトミスは、とても幸せそうで綺麗だった。


「彼、うちに入ってくれるの。お父様もお母様も、跡取りができたと大喜びなのよ」

「アトミスの家に行ったら、いつでも会えるのね」

「そうよ。今までと変わらないわ。家を改築したから、家の内装は雰囲気が変わったの、遊びにいらして」

「遊びに行ってもいいの?」

「勿論よ。リリーは私の親友よ」

「ありがとう。アトミス」


 控え室で二人で話していると、アトミスの母がやって来た。


「リリーさん、これからもアトミスをよろしくね。いつでも遊びにいらして」

「おばさん、おめでとうございます。アトミスがとても美しくて、なんだか眩しいです」


 二人がクスクスと笑う。





 リリーはアトミスの結婚式のドレスに何を着たらいいのか分からず、母に連絡した。「一度帰っていらっしゃい」と言われて、ビエントに外泊のお願いしをして実家に戻った。

 ドレスがたくさんできていて、リリーが頼まなかった、普通のドレスもできていた。母は「主役よりいい物を着てはいけません。白いドレスも駄目よ」と普通のドレスをあてがわれた。

 ウエディングドレスの仮縫いをして行って、リリーもウエディングドレスを着てみた。ウエディングドレス以外の、できあがったドレスを持ち帰ってきた。

 モリーとメリーが喜んで片付けていた。

 リリーはピンクの普通のドレスを着た。ウエディングドレスの白いドレスと被らない。レースはないが、綺麗なシルエットでとてもお洒落だった。





「リリーはレースとは違うドレスも持っていたのね」

「母が作ってくれていて、実家に取りに帰ったの」

「優しいお母様ね」

「はい」


 リリーは微笑んだ。

 アトミスのような花嫁になりたい。





 式が始まった。

 アトミスの父がアトミスと腕を組んで彼のところまでゆっくり歩いてくる。今度は彼と一緒に歩いて神父の前まで歩いて行った。互いに誓いの言葉を口にすると、二人は口づけした。なんて素敵な式なんだろう。幸せそうな顔のアトミスが眩しい。

 私もきっと幸せになれる。アトミスのような綺麗なドレスを着て、結婚式を挙げられる。

 アトミスを見ながら、近くの幸せを考える。

 教会の外に出ると花が巻き上げられた。リリーはすぐに落ちてこないように、微風で花を舞い上げた。

 アハト達も見に来ていた。

 ブーケトスでリリーの手の中にスポンと花束が入ってきた。

 振り向いたアトミスが微笑んでいる。リリーも微笑んでブーケを受け取った。


「次の花嫁は、リリーだな」


 アハトが言った。リリーは微笑みで答えた。


「今日は来てくれ、ありがとう」

「お幸せに」


 アハト達と声を合わせて、声をかけた。


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