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妖怪恐怖症は妖怪の学校に入れられました!  作者: 桃猫
Episode.1 初めての学園生活!
4/70

第肆怪 いざ挑め身体測定!(上)


神妙な空気の漂う教室。


教卓ではビビりポンコツと影で呼ばれているが、あの安倍晴明と月読尊を両親に持つ黄金第二世代の安倍月猫(あべ つきね)が口を開いた。



「さて、みんな・・・知ってるとは思うけど、明日」

「ポンコツ教師、何すんの明日」


「・・・今言おうとしてましたよね!?しかも堂々と悪口言うな!悪口は影で言え!」



ビビりポンコツは影で呼ばれているーー、ではなく、堂々と呼ばれていたようだ。


神妙な空気を漂わせていたので、ため息をついた『猫又』の猫間くんは猫の姿で挙手をしていた。



「せんせー、身体測定でなんで深刻そうにしてんのさー。こっちびっくりだよ」


「・・・何故かって?みんな、今年から予防接種が導入されたんですよ」



予防接種。

それは子供なら誰もが嫌う行為であり、人型の妖怪たちよりも、動物系妖怪たちは恐怖で震えていた。



「え、嘘だよね」

「鎌地くん苦手なんだー!僕余裕なんだよねー」


「あ、なら明日の一番は猫間くんにやってもらいましょう」


「え!?先生が一番でしょ」


「そうだそうだ!」



動物妖怪達が恐怖のせいか、いっせいに一番は担任の月猫先生だと言い始めた。その中には複数人型もいる。



「だ、だって!私注射したら怖いんだもん!絶対に一番は生徒にするって決めてたんですからね!?意義は認めぬ!」

「クズかよ!?・・・だが残念だな。もう書いてやったぜ」


「天邪鬼くんナイス!」



絶望のあまり真っ白になって固まる月猫先生の目の前に、順番表の一番上に意外にも綺麗な文字で安倍 月猫と表記されている紙を掲げてやった天邪鬼である。


この時全員が天邪鬼を褒めたたえた。

しかし、月猫先生は不意に笑みを浮かべていた。



「・・・ふふふ、残念だったな天邪鬼よ!これは男女別!!そして、よく分からない社会制度『男子が先』を取り入れられているのである!」


「んな!?てめ、まさか!」

「ふっふっふ・・・ちゃんと最後まで話を聞いてからすべきでしたね天邪鬼くん!」



月猫先生は血の涙を流しながら男子の一番上に天邪鬼と表記していた。


月猫先生の顔はやりきった感があり、天邪鬼は絶望で膝を着いていた。



「・・・何だこの茶番」

「それを言うな水蛇」



『ミズチ』水蛇さんは誰もが一瞬思ったことを代表して口にしていた。



「そういえば、先生妖怪慣れたんだね」

「うぐっ・・・」


「やめろ戌亥!こいつはムードに流されねぇといけねぇポンコツなんだよ」

「それを言わないでください天邪鬼くん!」



しかし、今は普通に教卓の所に普通に立てており、震えも治まっていた。

なにより、天邪鬼と月猫先生が仲がいい。


女子たちは妄想した。

これは恐らく、天邪鬼くんが月猫先生に恋をしたんだ、と。

男子は思った。やばい、月猫先生かわいい。天邪鬼絶対なにかしやがったな、と。


本人たちは、安倍月猫は天邪鬼の事は普通に生徒であり、天邪鬼は月猫のことは手のかかるガキという認識をしているのであった。



「・・・先生、こうなったら最後の手口だよ」

「猫間!まさか、あれやるのか!?」


「あれ・・・?あれって?」


「逃走だよ!その日みんなでボイコットするんだ!そうすれば無くなる!」



それは先生に告げていいものなのか疑問なのだが、建前だけが教師の十九歳はそれに乗っていた。



「そうだね。・・・でも、逃げるだけじゃダメだ、それだと先延ばしにされてしまう」

「月猫ちゃん何乗ってんの!?」


「よし、先生こういう時こそ学年主任 くだん先生だよ!」


「く、くだん先生!?」



くだん先生は妖怪くだん。この学年主任であり、見た目が綺麗でセクシーな男妖怪である。



「・・・ダメだ!私くだん先生怖くて無理です猫間くん!あの人何でも悟ってそうで怖い!」

「まぁ、くだんだからな」


「ツキネちゃーん、なーに僕のことで盛り上がってるんですかー?」



突如後ろに冷たい存在感を感じると思ったら、例のくだん先生がいた。

月猫先生は取り残されたことに気づいた時には遅く、主犯の猫間は既に椅子に座っており、他の生徒たちも席に座っていた。


つまり、月猫のみが悪いやつになっているのである。



「いまは身体測定についての説明時間だったよね。なぜ僕の名前が出てんの?」

「なんでいるんですか!?妖怪ですか!?妖怪でした!」


「僕、暇だったので妖力で未来みてたんですけど、ツキネちゃんが泣きついて来る未来が見えてね。何かと思って来たんだ」


「未来の私なにやって、・・・は!」



月猫先生は急いで猫間くんを見た。本人はサッと顔を逸らしていた。



「いやぁ、妖怪に少しでもなれていただけたのは有難いですけど、なに延期にしようとしてんの?馬鹿なの?」

「ま、待ってください!主犯は猫間くんが!」


「生徒を売る教師なんていませんよこのご時世」

「ここにいますから!私は悪くないんです!」


「さて、きっちりとあなたを見ておくので話を続けてください?」



その殺気に気力を削がれたポンコツ教師は、ムンクの叫びのような顔をして身体測定についての話を続けていた。

その教室の端では妖艶にニヤケているくだん先生。


生徒たちはなんとも言えない空気に襲われて、内容が頭に入ってきていなかった。



「ツキネちゃん?後で準備室に来てね?」


「へ、へ!?やばい、殺害予告されたどうしよう!」



準備室に来いと告げて去っていったくだん先生を見つめるクラスの女子たち。

その中で一人、『玉藻前』蛍火さんが口を開いた。



「準備室に呼んだ・・・準備室はたしか、人気が少ない場所にある・・・わざわざそこに呼んだってことは・・・」

「ちょ、蛍火!?やめろ!それ以上言うな!」


「先生!!腰痛めないでね!?」

「なぜそうなるの!?」


「誰か蛍火殴れ!」



誰もが予想したあるある展開。

だが、予想とは違い、呼び出された理由は明日の説明だけだったという。


呼び出された理由をわざわざ聞きに行った男女はそれを聞いてあからさまに落胆したのだとか。



「ちぇ、もっとウハウハしろよ」

「面白くねーのー」


「みんな盛りなの!?天邪鬼くんもそん、・・・あ」

「え、天邪鬼?え?ちょ、先生!?」


「書類終わってないんだった!じゃあねみんな!夜道危ないから気を付けなよ!」



次の日、天邪鬼にプロレス技を決められる理由を作ってしまった月猫でした。

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