君の逆立ち
君の逆立ちが見たいから
僕は体育館に通うんだ
君の逆立ちが見たいから
僕はタオルを持っていくんだ
君の逆立ちが見たいから
僕はレモンを……
え……ちょっと、制服はやめたほうが
君の逆立ち……だめだってば!
見えるってば!
君は知らないかもしれないけれど
誰も居なくないんだって!
君はしらな……
僕が陰から見てるんだってば!
ああーーーー!!!
手をつかないで!!!
ああーーーー!!!
見え、見えーーーーー!!!
「ああああのぉぉぉ!」
「わぁ! びっくりした! 須藤くん、どうしたの?」
「あのおぉぉ! 今日はあああ暑いから、い、一緒にれれれレモン食べないかなって、あは、あははは」
「須藤くんも一緒に?」
「え? あ、はい……」
覗き見を隠して取りつくろうと
彼女はくすりと笑ってポニテを揺らした
僕の右手を捕まえた彼女は
袖口にある小さなレモンをかじった
僕は返礼として彼女の胸元にある
名札の横の小さなレモンをかじった
そして二人で顔を真っ赤にして言ったんだ
「そうしてレモンをかじるんだ」
檸檬絵郎さまの活動報告の場で、お題に挑戦して書きました。
お題「『君の逆立ちが見たいから』で始まり、『そうしてレモンをかじるんだ』で終わる詩」
お題から考えた詩は初めてでした。
とても楽しかったです!
貴重な機会を作って頂き、ありがとうございました。