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第三話


「う、う~ん。・・・ここは?」


俺はいつの間にかベッドで寝ていた。

傍にある窓の外は暗い。

確か女の人が殺し合い?をしていて・・・


「あ、目が覚めた?体の具合はどう?」

「・・・カサイ?なんでここに?ていうか、ここはどこだ?」

「ここは孤児院よ。孤児院なんだから私がいてもおかしくないでしょ。・・・質問に答えて、体はどう?」


いや、孤児院だからといってこんな遅い時間にカサイがいるのはおかしいだろ。体の調子?

別にこれといって問題があるように感じられないが・・・。


「別になんとも無いぞ。違和感とかもないし・・・」

「そう、特に問題はないのね。じゃあとりあえず大丈夫かな・・・」

「いったい何なんだ?俺の体に何か問題があるのか?」

「その前にあんたは何でここで寝てたのか分かってる?」

「それは・・・・・えっと、確か女の人がなんか戦っていてそれに割り込んで・・・・・っ痛!」


あの時のことを思い出そうとしたら急に胸が痛くなった。


ガチャッ


「無理しないで下さい。あなたは死にかけていたのですから。まずは、この薬を飲んでください。」


扉を開けてキモトさんが入ってきてカプセルを渡してきた。


「・・・キモトさん。これ、なんの薬ですか?というか死にかけた?」

「ええ、胸を貫かれて死にかけない人間がいるとは私には思えませんから。それは体力と体を回復させる薬です。飲んで安静にしていてください。」


俺は言われたとおりに薬を飲んだら急に眠気が襲ってきて再び意識を落とした。



チュンチュンチュン


「う、う~ん。・・・朝か。」

俺は窓から差してきた朝日で目が覚めた。ベッドから降りて顔を洗いに行こうとして、やっとここが孤児院だということを思い出した。


「ああ、そうか。俺はあの後孤児院に運ばれていたのか?

まぁ、いっか。とりあえず、顔を洗いに行くか。場所は分かってるし。」


俺は、洗面所に向かった。そして、洗面所の扉を開くと・・・ありのまま姿でカサイとキモトさんがいた。


「キャァァァァァァァァァァ!!!!なにいきなり開けてんのよ!この変態!!」

「あらあらあらあらあら、これはオシオキが必要ですわね。」


カサイが悲鳴をあげ、キモトさんが目が笑っていない笑みをしながらこっちを見てきた。


「ス、スミマセン!出直します!」


慌てて俺は扉を閉め、去った。そして、二人が洗面所が出てきたのを確認してから、再び洗面所を訪れ、鏡を見たら・・・・


「ん?なんだ・・・・これ。・・・・・牙?」


犬歯が鋭くなっていて、まるで牙のようになっている自分を見つけた。理解が出来ず混乱していたら、


「気付いた?」


後ろから声が聞こえ、振り向くとそこにはカサイがいた。


「カサイ。気付いたか聞いてるということは、これはお前の仕業なのか?」

「そうね。私のせいでもあるし、あなたのせいでもあるわ。それについての説明は朝食後にキモトさんとしてあげる。まずは、朝ご飯を食べましょ。子供たちが待っているわ。」

「俺としては今すぐに説明を求めたいのだが」

「少し長くなるから。子供たちがお腹空かせてるのをみたくないでしょ?」

「・・・詳しい説明を頼むぞ。」


俺は一時的に冷静になり、朝食を食べに向かった。


「あら、二人とも来ましたね。では、いただきましょう。」

「「「「「いただいます」」」」」


俺は以前も偶にだが孤児院で朝食をいただいていたが、十分においしく満足していた。

しかし、今回の朝食は何か物足りない。


「マサタカ君。今日は学校を休んで下さい。まだ、体調が完全ではないのですから」


唐突にキモトさんが俺に向かって言ってきた。


「・・・はい。俺もいろいろと聞きたいことがありますから。」

「ええ。この後にすべてを説明しますよ。」

「ねぇねぇキモトお姉ちゃん。マサタカお兄ちゃん具合悪いの?」

「いいえ、ちょっと怪我をしてしまっただけですよ。すぐに元気になりますよ。」


孤児院の子供たちが俺のことを心配している。キモトさんが安心させているのですぐに気にしなくなるだろう。


そして朝食後


「さて、いろいろと話さなければいけないようですね。」

「ええ。教えていただきたいことがたくさんあります。」

「じゃあ、こっちに来て。さっきまであんたが寝ていた部屋で話すわ。」


二人に連れられてさっきの部屋に行き


「まず確認させてもらいます。マサタカ君は昨晩のことをどこまで認識していますか?」

「そうですね。赤い髪で翼と長い爪もった女の人と銀髪で十字架と杭を持った女の人が多分殺し合いをしていたということしか・・・」

「はい、その認識があなたの限界ですね。加えていうなら、その殺し合いにあなたは割り込んで胸を貫かれたのですよ。傷は塞がっていますが傷跡は残っていますので自覚できるでしょう。」

「ええ、それであれは何だったのでしょうか?そして、なぜ胸を貫かれたのに俺は生きているのでしょうか?この牙は何なんでしょうか?」


俺は混乱していた頭がピークを迎え、矢継ぎ早にキモトさんに質問をした。


「落ち着きなさい。一から説明するわ。まず、あの二人についてだけど、簡単にいうと吸血鬼と魔払い(エクソシスト)よ。」

「・・・吸血鬼と魔払い・・・?」

「ええ、ぶっちゃけて言いますと、この世界には人間ではない存在がいくらか存在しています。その中の一部ですね。魔なる存在の究極である吸血鬼と聖なる存在の究極である魔払い。まぁ、敵同士の存在ですね。天使と悪魔みたいなものです。」

「それは、またいきなりな話ですね。しかし、なぜそんなことを知っているのですか?」

「それは簡単なことよ。」

「その二人が私たちだからなんです。」

「・・・・・・は?」


いやいや、それは二人がここにいることで考えてはいたが神の色と長さが違うから可能性として除外していたぞ。


「え~と。二人ともあの時とは姿がかなり違うようなんだけど。」

「まぁ、そうですね。しかし、これを見れば納得すると思いますよ。・・・カサイさん。」

「ええ。」


そういうと、いきなり二人の神の長さと色が変わり始めた。昨晩は暗くて分からなかったが瞳の色も黒からそれぞれ紅と銀に変わっていた。


「その姿は・・・。」

「私たちの本当の姿、と言うべきものよ。」

「そうですね。マサタカ君、これからいうことは他言無用でお願いします。私たちは純血と同じレベルの吸血鬼と魔払いなのです。昨晩あなたが見た二人というのは私たちのことです。この姿は人間の中で生活していくために隠している姿です。・・・私たちが怖いですか?」

「・・・正直わからないというのが現状ですね。俺の理解があんまり追いついていないですから。純血というと、人間と交わっている方もいるのですか?」

「そうよ。というか、私たち人間じゃないものは数が相当少ないのよ。普通に人間と交わって生きているんだから純血はもう存在しないわ。」

「え?でもカサイとキモトさんは純血なんだろ?」

「正確には少し違うのです。先ほど言った通り純血レベルなんです。先祖返りという方が近いかもしれませんね。人ならざる者は、そのものの因子がどれだけ入ってるかによって人から外れるレベルが変わります。私たちの両親はそれぞれの混血ですが、血の割合も少なかったので因子が少なく普通の人間と同じでした。しかし、なんの運命のいたずらか生まれてきた子供はその混じっている血の遺伝子が強く現れて因子が多く含まれて生まれてきてしまったのです。むしろ人の因子がほぼありません。ですので、本当の純血ではないのですが、存在は純血と同じようなものなのです。」

「なるほど、二人の存在についてはこのくらいでいいです。正直、詳しく聞いても頭のキャパが超えてしまうと思うので。」

「ええ、私たちも詳しくは教えられませんし、教えても無駄でしょうから。そして、これからがあなたについての話であなたにとって最重要な話です。」

「まず、なんで生きているのかというと、私たちが治したからよ。あのまま放っておくと確実に死んでいたんだから感謝しなさい。」

「いや、あの二人がカサイとキモトさんなら俺の胸を貫いたのも君たちになるんだけど。」

「それは言ってほしくないですね。罪悪感は抱いているのですから。しかし、一つ聞かせてください。なぜ、あの時飛び出して来たのですか?巻き込まれたら最後だと分からなかったですか?」

「そうよ!確かにあんたには悪かったけど、飛び出して来たあんたも悪いんだからね。」

「・・・そうはいっても、あの時はどちらが勝っても片方は死ぬと感じたから、俺は女の人が死ぬところは見たくなかったからな。気付いたら体が動いていたんだ。」

「まったく。見ず知らずの殺し合ってる人にまでおせっかいをするとは・・・」

「それがマサタカ君の良いところでもあります。ですが、自分のことも大事にしてください。何をするにしても死んでしまうとそこで終わりです。」

「・・・はい。」


キモトさんから真剣な目で見られながら言われて俺はそうとしか言えなかった。


おはこんにちばんは。文才零の雫です。

なんとか、一月内に再更新をしました。

ホントに、書きたいを思っただけで書くのは難しいですね。

言葉のニュアンスとか考えながら書いてると自分の不甲斐なさにイラついてきます。

更新が週一から月一に目標が下がってしまっていますが、週一目指して頑張ります。



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