稼がねば!
「できちゃいました。」
は?朝、初めの会話がおはようより先にできちゃいました?は?できちゃいました?
「できちゃったって、なにが?」
「赤ちゃんがです。目覚めて出来心で妊娠してるかわかる魔法を使ってみたら妊娠してました。」
「え?まじ?」
「はい。マジ。」
「はああぁぁぁぁぁぁ!!???」
ドンドン!『うるせぇぞ!隣のへや!』
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
アテーナはお腹をさすりながらうっとりした顔で微笑んでいる?え?昨日の一回で?俺が父親?この俺が?フッフフフ。
「いよっしゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
『うるっせえつってんだろうが!』
「ごめんなさい!本当ごめんなさい!」
「ふふふ。パパったら、あなたができてあんなにはしゃいでますよ?」
アテーナは騒ぐ俺を優しく見守る。
「にしても、珍しいですね。神は10年ほど励んでもできにくいんですよ?それを一発だなんて...流石です。」
10年かかるのを一回で済ます俺っていったい...
それより子供だ!赤ちゃんだ!どうしよう!稼ぎは!?冒険者!家は!?買わないと!こうしちゃいられない!
「あなた、神はできにくいかわりにすぐに生まれます。でも、今回は元人間で種族的には現在も人間のあなたが父ですからだいたい1ヶ月で生まれます。」
「一ヶ月!?モタモタしていられない!稼がなければ!ああー、確か来たときに向こうの方に森があったな。全壊するか!?」
「お、落ち着いてください、あなた!」
「あ、あぁ、ごめん。」
「あの、怒ってませんか?」
「え?怒るって、なにを?」
「あの、その、私がしっかり避妊魔法を使っていれば妊娠なんてしなかったんです。ですから、その、怒ってませんか?...ダメですよね!ごめんなさい。でていきます。今まで...ありがとうございました。短い間でしたが...楽しかった...ッです。」
「まてまて!落ち着け!ダメなはずないだろう!嬉しいよ!よく孕んでくれた!ありがとう!」
「本当ですか?ありがとうございます!」
あ、なんか、落ち着けって言い合っちゃってるな。ははっやっぱり混乱しちゃうよな。アテーナもそれに気づいたみたいで二人で少しの間笑いあった。
さーて、アテーナは宿でゆっくりしといてもらうとして、俺はゆっくりしていられない。冒険者ギルドにやって来て現在順番待ち待ちだ。
『そういえばよ、王宮で勇者召喚が行われたらしいぜ。』
『まじで?成功したの?』
『したはしたらしいんだがどうにも転移先がおかしかったらしくて現在国が全力で探しているらしい。』
『たいへんだなぁそりゃ。』
あれ絶対俺だ。ばれないようにしないといけないな。
「ギャハ!お前みたいなガキ平民が冒険者登録かよ!笑わすぜ、ギャハハハハハ!!」
後ろを見ると実にふくよかなお肉がついた、僕お金持ちです感満載のデブが護衛と思われる男二人を連れてたっていた。
「おう、なんかよう?」
「貴様、図が高いぞ!まぁいい、今日は受付嬢に用があってきたんだ。私に順番を譲れ。」
やれやれ、テンプレもいいとこだ。だが俺は一刻も早く登録を済ませてアテーナに上手い飯と大きい家を作ってやらねばならない。故に―――――
「お断りします。」
「邪魔だ!斬れ!」
護衛騎士は悪く思うな...と呟くと俺のことを剣で斬ってきた。熱い液が俺の体から零れていく。赤いなにかが宙をまう。周りはは横暴だ!とお金持ちデブを責める。意識が遠退いていく。
そんな中俺は平然と立っていた。
「は?」
「お前さっき、」
「確かに俺に斬られて...」
「さあな。なんかの勘違いじゃないか?」
俺がニタッと笑う。周りは一気に凍りつく。辺りを見回す。全員凍っているな。
「正当防衛開始な。
我、存在に命ず。我に敵対する目の前の2人の男の服を全て剥げ。」
その途端。護衛騎士と金持ちだろうやつは、素っ裸になった。
「ヒィィィ!!な、なにをしたぁぁぁ!!」
「貴様!この方はプリチー・ゴミキュア男爵と知っての行動か!」
「知らんわんなもん。」
ゴミとプリ○ュア混ざってんじゃねぇよ。どこを同見てもプリチーじゃねぇよ。
「ぐっ、ぬぅぅ、お、覚えてろよー!」
二人は勢いよくギルドを飛び出していった。周りはくすくす、いい気味だとか、天罰だなとか、とにかくやつは嫌われていたようだ。
「あの~ありがとうございます。」
「ん?受付嬢さんか。何が?」
「あの人、ずっと私に妾になれってしつこかったんです。ですから、撃退してくれてありがとうございます。」
「あぁ、いいよいいよ。災難だね。」
「はい、ところで、本日はなぜおこしになったので?」
「あ!そうだ、こんなことしてる場合じゃなかった!冒険者の登録したいんだ!」
「わかりました。こちらに名前を書いてください。終わったらこの水晶に手をかざすと完了です」
「はーい。」
お、すごい。なんかザ・ギルドカードって感じ。ある意味無駄なかっこよさがある。最初はFランクか。お約束だな。最高絶対Sとかだ。
「はい、登録完了です。無くしたら複製に銀貨五枚必要ですから注意してくださいね?」
「はい。もう依頼受けれる?」
「はい。Eランクの依頼まで可能です。」
「それじゃあ、このコボルト、ゴブリン、オークの狩りを同時に受けるよ。」
「はい、わかりました。頑張ってくださいね。コボルトは牙を、ゴブリンとオークは耳を持ってきてください。体内にある魔石も買い取りますので。」
魔石か。いい情報を得たな。
さーて、アテーナのために、しっかり稼がねば。
~side とある男 ~
俺は、えげつないのを見ちまった。そこには男が一人いたんだ。黒髪に金と銀のオッドアイ。白と黒の服に身を包んだ男だった。目はよくみたら、角度によって金銀をベースに虹色に色を変えてやがる。どんなやつから知らんが武器は持ってなかった。俺は、あれを見たときは悪魔だと思ったね。この草原にはどこからきてんのかわかんねぇ魔獣がしこたまいやがるんだがな。その男はグーパンだ。コボルトも、ゴブリンも、オークも、そいつにゃわんぱんで殺られてやがる。一匹倒したと思ったら次の瞬間にゃまた別の魔獣の背後にたってやがんだ。しかも殺されたやつはその瞬間に跡形もなくきえてやがんだ。ありゃ悪魔だ。あんなやつとは、死んでも関わりたかねぇな。見なかったことにするとしよう。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
ここ、やけにオークが多いな。ありがたやありがたや~。と思いつつ俺はグーパンで魔獣を倒しなかがら、アイテムボックスに送っていた。ところが、先程からオークしか見かけない。倒せればなんでもいいんだけどな。と、突き進んでいくとなんやら洞窟があった。蟻の巣みたいに地下に掘られてできたものだ。そこからじゃんじゃんとオークがでてくる。
あたりだ!と、俺は思った。オークの巣=オークがいっぱいる=オークをいっぱい殺せる=大量に稼げる!きたぁぁぁ!!!そうおもいつつ、俺はじゃんじゃん殺す。時々杖をもったオークや剣をもったオークがいたが気のせいにする。
さらに奥に突き進んでいくと、なにやら不快な臭いがした。男が放つ白いあれの臭いだ。そして、喘ぎと悲鳴が混じったような声。犯り部屋か!助けねば!中に入り、オークを撲殺していく。殺し終えると、女たちに近づく。女たちは俺が怖いのか動かない足で必死に這い逃げようとしている。
「我、存在に命ず。この部屋の女性の体内にある精子は本来の持ち主の死体のの睾玉にもどり、オークに犯される前に処女膜が破れていなかったものは処女膜の存在を取り戻す。」
そういいながら少しでも安らぐように精神安定魔法と回復魔法をかける。
「大丈夫...じゃないですよね。皆さん。オークにやられる前に処女膜があった人は処女膜は取り戻してますからご安心ください。傷ついたからだも回復してますよ。」
俺の言葉に全員はないたりなんだりして喜び、ありがとうございます。とかいってた。さて、まだすることがあるんだ。女たちを放置してさらに奥に進んでいく。最深部にたどり着いたがなにやら面白いことが起きていた。
「くっ...殺せ!」
「コノヒトノメス、カナリノジョウタマデゴザイマス。」
「ワレラフタリデシトメマシタ。」
「うむ、よくやったぞ。オークキングよ。」
3体のオークに一人の女が囲まれていた。ついつい物陰から観察しちゃうね!ちなみにオークを鑑定すると二体がキングで一体がロードだった。こ、これから何が始まるというんだ。ドキドキ!ドキドキ!
「や、やめろ!何をする!は、はなせ!」
「「オサキニドウゾ」」
「うむ。我輩の苗床にふさわしい女だ。ではいただこう。」
「い、いやぁ、やめて、やめて、やめて、は、始めたなんだ!初めては惚れた男としたいんだ!...!そんな大きいの、入るわけ!やめて、やめてぇ!いやぁぁぁぁ!!!!」
おお、はいるはいる!!!あたってるあたってる!でもそろそろ助けた方がよさげだな。見るのも一興だが、一応現実だから流石に胸糞が悪い。瞬時にオークロードの元へ行き、吹き飛ばした。
「ナ、ナニモノダ!」
「ドコカラシンニュウシタ!」
「ご、ごふっ」
「玄関からお邪魔しましたが?」
オークキングを強めになぐりつけ絶命させる。アイテムボックスに回収っと、あれ?キング雑魚くね?
「くうう、許さんぞぉ。死ねぇ!」
「おせぇよ。」
剣を振ってきたが楽チンッとかわす。さずがロードといったところか。吹き飛ばしただけじゃ死ななかった。
「あぁ、もう死ねよ。 『雷帝の剣』」
超極太の雷がオークロードめがけて放たれる。これ以上生きてるならマス○ー○パークつかう。だから死んどけ。
オークロードは腹に大きな風穴を空けて絶命した。
「よっ、大丈夫だな!したも上も隠せよ!」
我ながらよく冷静でいられるものだ。全裸の美人系の女性が経垂れ込んでいるというのに。
「……………………惚れた。」
「あ?声ちっさいぞ。もうちょい大きい声で」
「……!すまない、び、媚薬が使われて、体がうずく。してくれ。してくれないと、か、体がもたない。」
「我、虚無に命ず。目の前の女性の発情は無かった。
はい、これで大丈夫。」
「ありがとう。私はパテミラ。Sランク冒険者だ。すごいな、Sランク冒険者5人がいて倒せるか倒せないかの災厄と呼ばれたオークロードをあれほどいとも簡単に殺すとは...」
「最高ランク冒険者か、俺は若草冬樹、いや、フユキ・ワカクサ。Fランク冒険者だ。」
「Fランク!?その力をもってしてなぜそれほどに...」
「今日はいったばかりだからね。」
そういうことかとパテミラは納得する。確かにおかしいよな。オークロードを簡単に下すやつが最低ランク冒険者とか詐欺だよな。
「それじゃ、俺はもう帰るよ。今日倒したオークから耳ちょんぎって魔石回収しないといけないからさ。」
「ま、待ってくれ!」
「んあい?」
「その...なんだ。私を嫁にもらってはくれないだろうか」
「えー。俺もう嫁いるんだけど」
「何!?いや...それはそうか。な、なら!
第2夫人だ!妾でもいい!」
「えー?俺は好みだしいいけど..説明は任せるぞ?」
胸もでかいし。
「あぁ!」
日がくれる前に、アイテムボックスにたまっている魔獣を全て解体し、冒険者ギルドに戻るとヤツがいた。
ちなみにパテミラは宿へいって女神説得中だ。
「ヤツ~⤴ヤツ~⤴プリ○ュア~⤴」
ついつい小声で挑発混じりに言ってしまう。また受付嬢にちょっかいかけてんのか。ていうか受付から引きずり出そうとしてるじゃねぇか。営業妨害だよな?いくら貴族でもあれは許されないよな?
「やめて!やめてください!」
「うるさい!貴様はだまって私の妾になればいいのだ!安心しろ、とっくり可愛がってもう2度と反発できないようにしてやる。」
「よ!なにやって~んの、ゴミキュア!」
「んあ?なぁぁぁぁぁーーー!!!?」
ゴミキュアの受付嬢をつかむ腕を文字どおり握り潰し外に投げ飛ばした。
「貴族にも人権を守る義務はあるはずだよな?
貴族にも法律を守る義務はあるはずだよな?
貴族にもしていいこととダメなことくらいわかるよな?もうおこった。召喚してくれたことに礼を言うついでにこいつをつき出してやろう。」
「なに!?まさか貴様、勇者...!?」
「勇者?ははっ、冗談はよしてくれ。おれはもうただのFランク冒険者さ。」
ゴミキュアを一日ギルドにおいていくことにするとふたたび受付嬢に礼を言われる。
「あの、ほんとにありがとうございました。」
「いいよ、それより!魔獣いっぱいかったから売らせて~」
「はい!このテーブルに出してください。」
おれはそこに袋詰めにしたゴブリン、コボルト、オークのそれぞれ素材と魔石をおいた。受付嬢はびっくりしている。そりゃそうか。あれ全部でだいたい800匹くらいだ。
「これは、オークロード!?オークキングまで。」
「オークの巣を見つけてね、ぶっ壊しといた。」
「そんな、これはでも全て本物.....!?
待ってください!ギルドマスターに連絡をいれます!」
パタパタとおくのへやにはいっていく。うん、胸がゆっさゆっさ動いてたね。
「おめでとうございます!今日からSランクです!それと、こちらが白金貨1枚と金貨592枚です!」
「ずいぶんだな。やったぜ。これでやしなってやれる。」
ルンルン気分で宿にかえるとごく普通の様子のアテーナがいた。どうやらアテーナは元々俺が自分一人のうつわにはいるはずがないとわりきっていたみたいだ。また今度二人になにかおくってやろう。
憂さ晴らしだぜぇ