第16話 テイマーに弟子入り
遅くなりました!
ミレアから貰った街の地図を見ながら、印の付いた場所に向かってみる。
事前に聞いたとおり治安は悪いようで、地図の場所にたどり着くまでに殴り合いの喧嘩に3回も遭遇した。そして路地裏にはボロボロの服を着た子供たちが何人も座っている。
そして、地図に示された場所にあったのは、古くて大きい屋敷だ。外見はボロボロで、長い間放置されていたように思える。
入口には大きな門があり、2匹のフクロウが留まっている。
「門の前におるのは誰かな?」
「え? 嘘だろ!?」
驚くのも仕方ない。急にフクロウが話しかけてきたのだ。咄嗟に片方を鑑定してみる。
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【名前】ダイン(森大梟)
【ランク】2
【レベル】7
【種族】魔物
【職業】使い魔(通信状態)
【数値】
《体力》500/500
《魔力》80/100
《筋力》150
《素早さ》200
《防御》100
【称号】
【スキル】風魔法Lv3
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このフクロウはここの家主の使い魔のようだ。鍛えられているようで、そのステータスは俺より高い。通信中となってるから遠隔で操作でもしているんだろう。
「ギルドの受付嬢ミレアから、あなたがテイムのスキルを途中から手に入れたと聞いたので話を聞きに来ました」
「ほう。ミレアの友人か珍しいな。門を開けてやるから、入ってくるといい」
フクロウが話し終えると門が勝手に開いていく。庭に入ると、地面から人型の何かが湧き出してきた。
ゴーレム? だろうか。屋敷の入口まで案内してくれた。
屋敷に入ると幻覚でも見せられているのかと思うほど綺麗だ。床はツヤツヤ。壁には汚れなど全くついていない。
「なんでこんなに綺麗なんだ?」
「女性の家が綺麗だとおかしいか? そんな場所に立ってないでこっちに来たらどうだ?」
突き当たりの部屋から20代前半と見られる女性が出てきた。おそらくこの人がミレアの知人でテイムのスキルを覚えている人だろう。
奥の部屋に入るとお茶やお菓子が机の上に準備されていた。
「さぁ、こっちに来て座ってくれ」
「ありがとうございます」
「で、私はテイムのスキルの取得方法を教えればいいのか?」
「はい。お願いできませんか?」
頼んでみると、その女性は悪い笑みを浮かべている。嫌な予感がする。
「いいだろう。条件さえ呑んでくれれば弟子にしてあげるけど、どうする?」
「条件とは?」
条件を尋ねるとその女性の笑みはより凶悪になり、
「それは、私の弟子になってしっかり働いて貰うことだ!」
「弟子ってそういうことする人じゃないと思うんですけど? はぁ、テイムの取得方法は本当に教えてもらえるんですよね?」
弟子に違う意味が込められている気がするけれど、気のせいではないだろう。まぁ、ただで教えてもらえるわけないよな。
「勿論! 君にはこの鳥を付けておく。これで私は指示するから、呼んだらこの家に来てくれよ。私の名前はリチア。だが、師匠と呼んでくれよ!」
「わかりました。よろしくお願いします、師匠」
門のフクロウはこうやって話しかけてきたのか。いずれ、俺もできるようになるんだよな。ほんとになるよな?
こうして、俺は師匠の弟子となった。
次回は明後日に更新します。毎日更新は無理だ、、、。




