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初遠征 3日目 経験不足が露呈
お土産を渡して映画館へ向かった。喜んでいたが、食べてくれたのだろうか。
なかなかSNSのような会話が弾むことはなかった。非常に事務的で、冷たい会話が行われた。僕も最初は頑張って笑顔を作ったが、自信を無くしてしまった。
映画館に入り、チケットを買った。張り切って僕が彼女の分を出した。話題のホラー映画ではなく、彼女の好きなキャストが出てる映画だ。SFの新作であるため僕も期待している作品だ。
僕は話しかけ、彼女がそれにこたえる。そうですね、とか、はい、とか、その一言で終了してしまう。
「あの、映画だけ見てそれで解散しましょうか?」
不安に潰され、僕は言ってしまった。逆効果だろうに。
いえ、大丈夫ですよと、作られた笑顔が返ってきた。
スクリーンへの入場開始の時間となり、僕たちはそこへ向かった。