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第１話
「パパ、眠れないの」
そう言って2階から降りてきた娘を父親であるトーマスは招き寄せ、そして隣に座らせた。
娘は少し青みがかった瞳で父親を見た。
薄手の花柄パジャマの袖から出た小さな小さな右手で目をこすりながら。
左手には、3才の誕生日にもらった“ホワイト”というくまのぬいぐるみが。
どうやら抱きかかえて来たらしい。
娘の肩まで伸びた栗色の髪を撫でながら、昔話を始めることにした。
「眠れないメリーの為に、とっておきの昔話をしてあげるよ」
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