第一話 世の中全て金だろう?
近年不況で経済状況が悪い中少年は高笑いしていた。
「ハッハッハッハッハッハ、世の中金だ!金で支配されている金があればなんでもできる!金だ金!」
旗から見たらただの馬鹿であり、金の亡者に見える。いや、ただの馬鹿である。
この男はただ運が良いだけであり宝くじで何億分の一を当ててしまった強運の持ち主である、ちなみに当たったのは三億六千万。これだけの大金を手にするまでは質素に暮らしていたがこの男はこの大金を受け取ってからまるで人が変わってしまった。
「俺には金以外必要ない!さあ!人生を楽しもう!アッハッハ!」
馬鹿が公園で叫んでいる、もうこれが四日ほど続いているが一向に帰る気配がない。それに近所の人達はついに怒り警察に通報した。
パトカーの音が鳴り響く。
「かーね!かーね!かね!カネ!金!」
「ねぇ君、ちょっといいかな?」
「へ?なんですか?」
「ちょっと署までいいかな?通報があったみたいで近所からうるさいと連絡があったんだが」
「え!俺が近所迷惑ですか?!」
「そうだよ、あまりにも近所の人に迷惑だと思わせるから私達が来たんじゃないか」
「お金あげますから!許して下さい!百万で!」
「お金の問題じゃないだろう、さあ同行お願いします」
「金で解決できないだと…なぜだ…」
「世の中にはねお金で解決できないことだってあるんだよ?まだ君は若いからねぇ…」
そうして男は警察署に連れてかれる。
二時間後…
「ハッー まったく困ったもんだ、こんなんになって…」
男は警察署からでてため息をついた、彼の名は金田和人。名前からして金に欲がありそうだ、と言うと全国の金田さんに失礼なのでやめておく。彼は一人暮らしでありこのようになってしまった為に友達がいないましてや彼女もいない、お金があるからと言って寄ってくる女は信用できないと彼は言う。過去に何かあったのだろうか、なんとなく予想はできる。
「さて、日本で何をしようか。一生働かなくていいんだし、幸せだー!」
果たして一生働かなくていいことは幸せなのだろうか?彼は大金を手にしてしまったが故に大事なことを忘れていた… そう、あの質素な生活をしている時にはまだあったものが…
お金は人を救い幸せにする事が出来る反面、人をダメにすることもできる。彼がよい例なように…。
「ねぇ、アンタ何してんの?警察署の前で。気持ち悪いんだけど。」
ふと後ろから声を掛けられる
「は?何を言う!このウルトラ金持ちの俺に!」
「いや、やってることがキモいと言ってるんだけど」
と言われて金田は自分のしていた奇妙な?ポーズをやめた。確かにキモい。
「ねぇアンタ、ウルトラ金持ちって言ったよね?こんな時間にここにいるって事は働いてないの?」
金田は答える、自信満々に。
「あぁ!働いていない!まだ高校生だしな!今日は学校なんてサボっている!、だが貯金は三億六千万ある!」
「へ〜そうなんだ〜、さぞかし人生が楽しいでしょうね〜」
女は冷たい目で金田を見る
「だったら助けてくれない?」
金田は金を求めてやってくる女が嫌いだし話すのも嫌だった、だが、今日はなぜか嫌いにはなれなかった。
「名前も知らないのに、いきなり助けてだって?なんかあったのか?」
金の亡者金田モードは一旦やめ、普通に話していた。
「わかったわ、ついてきて。あっ 私の名前は…」