僕
グズであることを恥じるのであれば、グズを語らないと思う。つまり僕はそれほど恥じていない。グズだもん。グズとはなにか。よくわからない。もう、反対もしない。ただ単純にグズですらない。かもしれない。これはある子供の記録。
僕はまだ何も理解できない。
〜春〜
春になった。高校生になって2回目。僕は高校2年生になった。今日は新学期1日目。僕のクラスは2組。1年の時と変わらない。
春、みんなが友達づくりに必死になる。僕はそんな同級生を見て何を感じるのか。僕は自分でもわからない。僕は思う。結局、友人なんていうのは、自分が学校でのボッチライフをおくらないようにするための保険なのだと。僕はそう思う。僕は見ている。そんな君たちを。僕には保険が必死か?僕は思う。保険ができたらできたで、僕は自分の中に自分ではない存在ができてしまうことに僕自身、気がついている。
僕は保険が必死か?君たちを保険ではないと見れる日は来るのかな?僕はどうすればいいんだ…?
下らないこと?僕には重要かもしれないんだよ?
僕は恐ろしい思う。僕の存在がなくなってしまうことに。僕はだれにも憧れない。憧れたくない。僕は影響を受けたくない。怖い。恐ろしい。僕は僕だ。僕は思う。僕を妙な心境にしないでくれ…。
僕は属することが嫌いなのだろうか?僕は理解できない。
僕の今の他人からみたらつまらないであろう心境。〜おそれ〜
怖い。
僕はだれからも影響されたくない。
僕は僕だ。
僕は変わりたくない。昔の自分を捨てたくない。
こう考えるということは、僕は変わろとしているのだろうか?やめてくれ…。
怖い。怖い。
〜チキン〜
僕は臆病だ。
同年代の女子高生や女子中学生、男子高校生、男子中学生を見ると、とても、嫌な気分になる。逃げ出したくなる。
相手が僕の方を見てニヤニヤ笑っている。僕の悪口を言っているに違いない。特に相手が複数の時だ。僕は奴らを見ると、たとえ僕が何もしていなくとも、僕の悪口を言っているように感じる気がしてならない。 僕は気分が重くなる。彼らを見ると。そして彼らが僕の背後にいる時には僕は聞こえてくる。僕の悪口をひそひそ声でささやく彼らの声が。何ていっているのかは聞き取れない。僕、何もしてないのに…。
僕はあるときそんなことを知り合いに話してみた。すると、その知り合いはわざわざ僕の悪口を言っている人がいるのか聞き込み調査をしてくれた。
結果はだれもいないとのことだった。
「気にしすぎだよ。」
僕の知り合いはそう言った。でも、僕は確かに聞こえてる。ひそひそ声が。
僕のたんなる被害妄想なのだろうか。
確かに僕はよく人に自意識過剰だと言われる。じゃあ、僕が聞いている声は僕の思い込みか?
僕のたんなる被害妄想?
〜逃げる人々〜
僕の顔を見ると、『なんだ、コイツ…。』という顔で見てくる人達が僕の会った人々の中で3分の1ぐらいいる。
「?」
何?僕の顔、変かな?
僕が話しかけると逃げる。そう、中学生の時にされたことだ。それを3〜5回ぐらい。それぞれ別の人だ。 どうやら、みんな僕のことをうけつけてくれないらしい。でも、今思うとそれは今の僕にとってとても光栄なことだ。だって、僕はだれからも影響を受けなくてすむ。僕が話しかけても、みんな必要な時しか僕を受け入れないし。
僕は人に自分から必要の無い時以外は話しかけないようにしている。たぶん、怖いから。何がって?
自分が傷つくのが怖いからだよ。
やっぱり僕ってチキン?
〜僕の人形たち〜
僕にはたくさんの人形がいる。16歳になった今でも僕はそれでたまに遊ぶ。最近は人形遊びも話しのネタが思いつかなくなり、遊ぶというよりは“眺める”といったかんじになってしまった。たまに全員分の着せ替えや家具をつくったりしている。つい最近は手作りフェルトで作る人形の服の作り方の本も購入した。まだ、形をとっただけであるが。人形は可愛いと思う。どの辺が?って?
うーん…。そうだなぁ〜。僕もそれはわからない。ただ、惹かれる。現実の人間の女子たちなどに目がいかなくなるほどに。僕は人形の表情が変わって見える時があるのだけれど、君にはないかな?僕がね、人形の着せ替えをしておめかししてあげると、そのおめかしされた人形はなんか、前よりも笑っているように見えるのだけれど、僕の気のせい?そんな僕の人形たちは今日も静かに座っている。可愛いなぁ。
〜……〜
僕は保険を手にいれた。そう、前に話したあの保険のことである。僕がこれから1年間生活していく上で必要なものだ。変な気分だ。僕は今まで僕の保険になってくれた人達に感謝はしていたものの“保険”として見ていることに罪悪感はまるでなかった。しかし、今日僕は初めてその保険に対して申し訳ない気持ちになった。まあ、相手も無意識のうちに僕のことを保険だと思っているのかもしれないけれど…。
僕、どうすればいいの?
〜僕は…〜
僕は負けた。いや、負けたのではない。逃げた。
僕は僕らしくありたかったというのに。
ただ単純に一人ぼっちになるのを恐れて保険をつくった。で、その時僕は“僕”らしさ、そう、僕の中にある僕を見捨ててしまったような気がした。
嫌な気分だ。非常に。
〜僕〜
嫌な気分だ。何か何か僕の中の黒いもやがかんじられる。聞こえる。僕の中にある僕の声が。ささやいている。僕は振り返る。
君は悲しそうな顔をしている。僕は君を捨てたわけじゃない。ただ、怖くなっただけだよ。もちろん、君をおそれたわけじゃない。周りを恐れたんだ。
僕は君を見ている。
君も僕を見ている。
君は僕にささやく。
忘れるなよ。
〜1〜
今日もみんな必死だ。自分の足場を安定させることに。僕は思う。クラスに1人はいばりくさっていて他人を使い指揮する奴がいる。度が過ぎると奴は周りから嫌われるようになる。でも、奴を嫌っている人間は嫌っているくせに1人では反抗することができない。結局奴の言いなりだ。言いなりにされても仕方のないことだ。お前はなめられていて、友人とはいっても奴の足場安定のための木材なのだから。僕はまだ、木材ではない。しかし、木材候補だろう。僕は弱い。
〜君〜
僕の中に君はいる。“僕”である。でも、君はたまに僕と少し違うところがある。君は僕より思慮深い。君の日記をみていると、僕でないみたいだ。時々そう感じる。君は僕の中にいる。ということは、その日記も僕が頭の中で考えていることなのか。
そうか。ん?
君は僕に日記を見られてニヤついている。
どうしたの?
そんなに僕のことを観察しないでよ。照れるじゃん。