魅惑の窓口
昼下がりの柔らかな光が差し込む中、私は賃貸アパートの窓口である事務所に座っていた。日々、様々な事情を抱えた訪問者たちが私のところにやってくる。そんな日常の中、ある女性がフラリと店に足を踏み入れてきた。
彼女の名はT橋さん。40代の女性で、その美貌は思わず息をのむほどだった。品のある雰囲気が漂い、どこか神秘的な魅力を感じさせる。普段はあまり緊張しない私も、彼女を目の前にすると心が高鳴った。彼女を来客席に案内しながら、何とか平静を保とうと努力した。
T橋さんは、当店の広告を見て訪れたという。彼女は数件の部屋を借りたいと告げた。詳しく話を伺うと、彼女は「とあるお店」を経営しており、その従業員を住まわせるための寮的な住まいを探しているとのことだった。短期的なマンスリー契約を希望しているという彼女の言葉に、私は興味を持った。
すぐに、彼女が希望する地域に複数の空きがあるアパートの物件情報を用意し、T橋さんに紹介した。彼女はその中から内覧を希望し、早速出かけていった。彼女が内覧に行っている間、事務所内は少しざわついた。なぜなら、彼女が経営する「とあるお店」が風俗業であることを知ったからだ。
彼女の美しさに隠された秘密を知った事務員たちは、興味深そうに話し合っていた。私は偏見を持たずに接するつもりだったが、職業が人の雰囲気に与える影響を改めて感じた。T橋さんの魅力は、ただ美しいだけではなく、彼女自身の生き方や選択にも由来しているのだろう。
やがて、T橋さんが内覧から戻ってきた。彼女はワンルームを3部屋契約したいと、明確な意思を示した。私は短期契約の書類を準備し、契約手続きに取り掛かることにした。経営者であるT橋さんが契約を行うが、実際に住む従業員の情報も必要だ。トラブルがあった際に連絡が必要だからだ。
契約書類にスラスラと情報を書き込むT橋さんの姿を見つつ、私は心の中でさまざまな想像を膨らませた。その従業員たちのことを考えると、まだまだ未熟な自分は下世話な考えをしてしまった。「こんな若い子が、地方から出稼ぎに来るのだろうか?」と、無駄に想像を巡らせてしまう。
しかし、私は平然とした表情を崩さず、契約手続きを進めた。すべての手続きが終わり、3室分の鍵を彼女に渡すと、T橋さんは微笑みながら「よろしくお願いしますね」と言って退店していった。その瞬間、心の中に不思議な感情が芽生えた。
普段は接することのない業種の方との契約は、ドキドキとした緊張感を伴っていたが、それは同時に新たな視点を与えてくれた。T橋さんとの関わりが今後も続くことを思うと、彼女が来るたびに私は女の魅力について考えさせられる時間が増えていくのだろう。
業務に差し支えないように、私の頭の中での考えを整理しつつ、これからの彼女との関わりに期待を寄せる。魅惑的な女性の背後には、どんな物語が隠れているのだろうか。私はその答えを見つけるために、日々を重ねていくことにした。