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アオイハル  作者: まきこZZまきこZZ
1/1

この中に 裏切り者がいる

知らぬまま 淡く流れ 堕ちてゆく


・・・・・・・・・・・・・



未来は分岐している


様々な事例が積み重なりやがて全く別の世界が築かれていく


それは、異世界とも呼ばれる






何をやっても上には上がいて


何をしても無意味だと思わされる


そもそも、何がきっかけで始めたんだったか


何もわからない、考えないようにしよう


それなら、もう、何もやらない方がいい




大多数がそう痛感し やがて


無気力になっていく、そんなこの頃



もし


今、キミが


些細なことをする


ただ、それだけで


今後が大きく


変わっていく、としたら?



やらざるを得なくなるような事態に


もう既に、陥っているとしたら



現時点で言えることは


このままでは






・・・・・・・・・・・・・・・




夢を、見ていた、


なんだか、不思議な夢だった、気がする


・・・いつも見ているようなものだが


今回は、やけに現実味があった


なんというか、本当にそこにいた。かのような






そうだ


私は





・・・・・・・・・・




特に何の変哲もない どこにでもよくいる学生


桜井 遥


彼女はというと、特に誇れるものもなく、それどころか 


話の構成が壊滅的に下手なためか その他も含めて諸々


中学時代、同じクラスの同級生すら まともに話も聞いてもらえない始末


唯一、楽しんでいること、といえば 


授業に特に関係のないような 先生の雑談


他の学生は特に興味もなさそうなことですら 彼女にとっては


退屈や孤独を紛らわすことができる 貴重な情報原だった



そんなある日、歴史の授業でのことだった




「なあ、異世界って聞いたことあるか?」



玄田先生は、冗談混じりに生徒たちに問いかけた。赤みのかかった焦茶色のクセが強い髪の毛を手先でいじりつつ、色彩異常とのことで専用のサングラスをかけた瞳の奥は、あまり茶化しているようには見えなかった。白衣のポケットに突っ込んだ手をひらひらと、気怠そうに挙手を促す。


やけにその時だけ食らいついてくる生徒もいれば、ああ知ってる、なろうってやつだろ?と、あからさまに茶化してくる生徒もしばしば。はたまた紙パックの紅茶を机下にてこっそり一飲みする者もいればその隙にと急いで黒板の文字をノートに書き写す生徒も。しかし特に教員は気にしていない様子だ。


「そうだな、俺の思う異世界ってのは、ちょいと手厳しいものだ。たとえば、魔法とか想像するだろう?ある、としてもそう易々と使えるような代物じゃない。少しでも使うとなると、大きな代償が伴うもんだ。それは、なんだと思う?

桜井」


ひやっとした。まさか急に当てられる、いや、名前を呼ばれるとは思っても見なかったのだろう。

多少の時間、しばし硬直する。


「・・・・・・・・骨、とか?」

「そう!ああ、具体的には言わなくてもわかってるぞ。じゃないとみんな怖がっちゃうからな。」


と言った側から湧き立つ教室。今度はオカルト好きな生徒がはしゃぎ立てる。カーテンで日光を遮りそして、

どこからか取り出したのか、蝋燭とマッチ。今どき、なかなかに原始的である。


「ハハッ、このクラスは個性派揃いだな。今日進める分も半分終えたことだから、5分だけ、脱線するぞ。疲れて聞き耳も立てれないやつはそうだな、寝てよし!・・・他の先生には内緒な?」




結論、10分ほど話は続いた。


桜井はこの時も、静かながらもイキイキとした表情で


その内容を見聞きしていた。





6時間目、はたまた7時間目の授業がようやく終わり日も暮れてきた教室にて



「おー、いたいた。いっつも教室に残ってなんか書いてるな!どれどれ・・・なんて、見ないよ。もちろん」


玄田だ。相変わらずフランクにちょっかいをかけてくる。2年生の桜井にとってはもはや日課となっている。

自分の机に広げられたいくつかのコピー用紙。特に隠す素振りも見せず、ちょくちょく間が開きつつ、使い慣れたペンでプロットのような文字や構図を書き込んでいく。

イラストや小説、というよりも、何か方式や考察をメモしているようだった。ぱっと見では何なのかはわからない。一瞬、玄田の視線が下を向いたような気がした。


「桜井もこの高校に来てもう2年目か・・・部活とか、入らないのか?美術部あたりコピック使い放題!だったような」

「実は、たまに遊びに行ってたりします。本格的な活動をしていたら、行けなかったろうなあ・・・」

「あそこは和気藹々とやってるもんな。そりゃよかった!1年目の時は、なんというか、全体的にクラスがお転婆すぎて正直かなり浮いてるように見えたんだ。そうか、なら安心だな」


玄田は桜井の担任。ではない。その割には、やけにまめに様子を見に来てはいるようだが。


「ところで、3時限目のことなんだが・・・」


改めて、切り出そうとした矢先



「おーい、頼む、匿ってくれー!」


教室手前の扉が思い切り開かれる。朱色の髪をしたヤンチャそうな青年が息を切らせて机の前まで走ってきた、と思いきやすぐさま影になるところに隠れる。


「まーた何かやらかしたの?」

「しーっ!いいからそのまま・・・」


言い切る前に見知らぬ女子生徒が続いて教室手前で睨みを効かせている・・・何やら不服そうだ。あまりいい予感はしない。とよぎった瞬間


「あ!!・・・ええっと、ここに五十鈴くん来ませんでした?いっつも桜井さんのクラスに駆け込んで!」


一瞬、部が悪そうにしつつ、うーん来なかったかな?の一言。またいつものように食い気味に粘られる、も


「俺も見てねえぞ?毎回おんなじところに逃げ込む奴があるかねえ・・・」


修羅場の前に耐えかねた玄田が助け舟を出した。流石の女子生徒もそう言われてはこれ以上追及する気も起きなくなった。邪魔したわね、と一言。詰まっていた息をなんとか吐き出す。


「ふぅ、助かったぜ・・・」


へたり込む五十鈴。ちなみに、面識のない他クラスの女子に追いかけ回される事例はこれでもう7回目である。


「懲りずに好きでもない女の子に手を出したの?サイテー」


容赦なくつん裂く目線をこれでもかと浴びせる。それでも五十鈴はヘラヘラと返す。


「なんでって、そんなの、付き合ってみないとわかんないもんだろ?高校生なんだし山ほどあるってもんさ」

「ぜっったい!ありえない。人の純情弄ぶのも大概にしなさいよ。時間の無駄!女子生徒の敵!えーと人類の障害」

「そこまで言わなくていいだろー!そういう遥だって・・・」

「うえっ!下の名前で呼ばないでよ、また勘違いされるじゃない」

「周りなんて気にすんなって、自意識過剰だぞ。俺たち、小学生からの幼馴染で家まで近所なんだし。真前だぞ?」


お互い、顔を合わせるといつもこれである。一見、口数少ないように見える桜井だが五十鈴が相手となると話は全くもって別モノらしい。周りを気にしているようだがこの状態ではなおさら見間違えられることだろう。


「こーらこら、イチャコラは下校途中にやりな。先生には刺激が強すぎるぜ」

「冗談じゃない!」


思わず敬語が抜けた。あまりそんなことは気にしていない様子だ。


「えーとなんだったか、そうそう、異世界とはまた別なんだが、この学校の、怪談7不思議の最後の一つの話は知ってるか?」

「うーん、そこまでは・・・」

「そうかあ、俺も気になって色々生徒に聞いてるんだが全くと言っていいほど手がかりがなくてな。どうしたことか・・・あともう一押しなんだが」


何のことだろう?と思いつつ、明日の授業の準備もあるのでこれにてお開き・・・となりかけた、そのとき


「あ!それ、俺知ってるかも。深夜、この学校のどこかでずっと隠れているといつの間にか次元の違う場所・・・だったか?と通じてるんだってさ。具体的な場所は、どこだったかな・・・・・・わっかんね」


ふむ、と玄田先生は一言。今までの記憶を手当たり次第に思い出しては事態と当てはまるかを試しているらしい。少し時間が経過した後、いくつか可能性を提示する。ちょっとした雑談のはずが徐々に話の規模は広がっていった。

しばらくして、時間は夕暮れの6時ごろ。最も陽の光が赤く教室全体が照らされる。その光景は少し静かでなんだか不気味だった。口調は皆いつもと相変わらずなものの、こんな話をしているからだろうか。それとも心なしか他の原因があるような・・・


「」














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