ナイスだね。いや。本当に。
ズルズル……。と私の部屋から不穏な音が聞こえてくる。
私は没収され、洗濯されたシーツを再度紐状に結びつけ引きずっております。
それを窓からひょいと投げる。どこかに引っ掛けるのも忘れずに!これ。テストに出ます。(嘘)
まぁ。ふざけるのはここまでとして、ひとまず、前のようにバレないように体調不良の嘘なんかつかなくてもいいかな。と思いまして。この、脱走がバレてもたかが王子の婚約者が居なくなっても、そんな騒動にならんでしょ。と。
なっても、別に気にしないでおくぜ。
「って、ことでバーイ。」
私の部屋に別れを告げ、シーツをつたい降りていく。
「うむ。我ながらいい着地。」
自分でも惚れ惚れするわ。ほんと。
私は置いておいた荷物を取りに行く。
なんで。もう置いてあるのかって?それは、窓から投げたからだよ。高笑いしたあと、調子に乗ってね……。いいでしょう。初めて悪役みたいな高笑いしたんだし。
荷物に特に傷とか、汚れないしいいね!
「気にしなーい。それが。私。」
「家って……。どこだ。」
私は前回も来ました城下町で、突っ立っております。
なんでかって?お分かりだろう。私は家の金を払っただけなのだよ。ははは……。
場所とかどんなとことか聞いてないし。我ながら雑だな。性格がね。
前行ってみた不動産屋さん?は何処にあるんだっけなー。
しばらく、外にある屋台?みたいな所で、買い歩きをしながら、適当に進んでいく。
「うまっ。うまい。」
「まいど。そんなに美味しそうに食べてくれるのはお客さんだけだよ。」
私はその中でも1番美味しそうなのを選び、食べています。
パンに野菜?が挟まってるやつなんだけど、野菜苦手な私でも、「うまー。」ってなるくらいだから、店の人が作るのが美味いに違いない。食べず嫌いだったわけでは、無いからね?私は野菜だって食べてましたとも。確か……。いや。たぶん。
その後も適当に歩いていく。歩くー。歩くー。歩く。
うん。どこだよ。ここ。
迷いましたー。おめでとうございまーす。そりゃあ。そうだよね。適当に歩いてたらこうなるね。
知ってたよ。ホントだよ?でも、ここまで来たら適当に歩いていくしかない……よなぁ。
「お。まさか。裏道が。」
なんだか前、不動産屋?に行った時に見た様な道が見えてくる。
「ここが!真の裏道。」
真の裏道を進んでみる。すると、「おう。嬢ちゃん金持ってそうだな。」って言いそうな奴がいた。危ないな。君。
「おう。嬢ちゃん金持ってそうだな。」
見つかったー。「おう。嬢ちゃん金持ってそうだな。って言いそうな奴」略して「おう。金」にしよう。
「金くれよ。少しぐらいいいだろ?」
「おう。金」が近ずいてきた。おおう。これは、やばいのでは……!
すると、物語で、ヒロインとか救いそうな奴が私の前に出てきた。
「やめないか。」
ナイスだ。