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青い蝶の誘い1

接客も落ち着いた知らせと共に、そろそろ帰宅する時間だとフォーカス先生の呟きに私とライナリアとカナリアちゃんは残念な気持ちがあったものの。

フォーカス先生がまた連れて来てくれると約束してくれて、カナリアちゃんとセーラさんにお別れの挨拶の後、お店から出ようとした時だった。


不意に私のそばから白い蝶が現れお店に入っていくような気配を感じた。


「........どうしました? お店に忘れものでもしましたか?」

「へ? あ、うんん。大丈夫、忘れ物はしてないよ、行こ!」


なんか変な感じがしつつもへへっと笑って誤魔化すも、ライナリアは気にしない感じなのに聞いてきたフォーカス先生とゲルフィンさんは神妙な面持ちだったものの、互いに何か理解したように聞いていた。


「ならいい、早く帰らないと主も心配してそうだからな。」

「グライハイム公は怖いですが、親バカですしね。」

「お父様は優しいだけですわよ!」

「それを親バカと言うんですよ。」


などと他愛もない会話と共に屋敷へと帰る中、夕暮れの日差しが私達を照らしおてて繋いで帰る場面に妙にこそばゆい気持ちになって、さっきの蝶の事は忘れて帰ることにしたにだった。


だが、これが私の無意識に行動であったことを取ることになるとは、この時には気づいていなかった。


****


屋敷に戻った後、アルセイヌ嬢とライナリア嬢は母君に今日のお菓子を持っていくとのことで別れ、街に連れて行ってくれた礼と共にきゃっきゃと走って行った。


「こうーみるとアルセイヌ嬢も普通な感じですよね。」

「まあな、幼いのに危うい子だ。」


隣にゲルフィン殿は呆れとほんの僅かな笑み浮かべる。

普段はあんなに無表情でグライハイム公並みに冷たい印象なのに、ここまで表情が崩れるのは本当に珍しい。


「なんだ、人の事見つめて。」

「いーえなんでも。それよりも店へと加護蝶が飛んだことや、どうにもきな臭い胸騒ぎがすることを知らせに行きませんか?」

「【加護蝶】だったのか、あの現象は?」

「深くはまだ確証はないんですが、彼女の蝶には謎が多いのです。識別の色での感情がでてるのか? 深い何か? そこがまだわからないですが、魔力が関わっているのはわかりますね。」


アルセイヌ嬢の周囲には2種類の色がある。

それは魂が混じ合うようで混じないような揺らぎ、そして複雑な性質。


「そうか、わかり次第教えて欲しい。主も私も気になってるんだ。」

「...え? あ、はい。そういえばグライハイム公に訪ね戻る前に聞きたかったのですが、あの少年は彼女の知り合いだったのですね。」


あの戦闘の時に会話内容が僅かに途切れ途切れに聞こえいたことをゲルフィンに聞くが首を振る。


「それは私にもわからない。ただ......導くように現れる、まるで予言のように。」

「なるほど、敵か味方は不明ってことですね。」

「ああ........一応注意しておいてほしい。」

「了解しました。」


一応の危険分子はと思ったが、雰囲気的には大丈夫な気配はしていたぶん、まだ油断できないものだと理解しグライハイム公のいる書斎へと向かったのだった。


ノック3回するとグライハイム公から入室の許可を得て入ると片手に何故か魔法書の記述を広げて本棚に寄りかかっている姿があった。


「グライハイム公、今戻りました。」

「ああ.......聞いている。ところで私のいる場所にわざわざ足を運ぶとは何か用だったのか?」


パタンと魔法書を閉じて聞く眼差しは何故か警戒は淀んでいる。

もしかすると魔物襲撃のことを耳にしたのではと推測できたが、それよりも先に報告しておくべき事を話しておかねばならない。


「アルセイヌ嬢のことです、今回の騒動に関して報告することができたので訪ねさせていただきました。」


ピクッとグライハイム公が反応して、どういうことだと諭される。私は一息吐くと今回の出来事に対してのこと、アルセイヌ嬢が起こした【蝶】のことを詳しく話す。


するとグライハイム公の表情は険しいものに変わり、著しくも本も握り締める力が強くなってるようにみえる。


「フォーカスから見た見解的に大丈夫なのか?」

「心の影響と定まってない魔力、あと魂が馴染んでないのもあるので今後次第としか言えないですね。」


アルセイヌ嬢の態度はどこか大人びてはいるが、幼い部分もあるも定まらない危うさがあると思ったのだ。


「........そうか。ならよけいに気をつけておかねばならないな。」

「主...少し口を挟む許可をもらいます。今回......あの少年にも遭遇し言伝をもらいました。蝶は大きな花が咲き眠りにつく、ゆめゆめ忘れなと。」

「わかっている、だからこその対策をいま練っているんだ。悪意を避けるためにもな。」

「グライハイム公...貴方はアルセイヌ嬢の何かを知っているのですか?」

「............今は言えぬ。今はまだ...な。」


グライハイム公は近くのソファーに座り頭を抱えふうーと息を吐きポツリと呟く。


「悪意は蝶と共に蜜を得ているということかもしれない。」


その言葉に何かがよぎるが霞の如く見えず、ゲルフィンも聞いてたようで不愉快げな雰囲気が漂っていた。

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