攻略対象者のギルバート君との邂逅
「本当に宣言してたよ、重要なとこは省いてやけど。」
あまりにもの光景に脱力したまま振り返るとカナリアちゃんギルバートは苦笑していた。
「ね、僕が言った理由わかっただろ?」
「うん。なんか心配してたぶんバカぼかし気持ちになってます。あ、クッキー試食分まだあるから食べる?」
「え? あーどうしようかな。」
言い淀みながらもクッキーの美味しさを思い出してるのか、唾を飲み込む音がし一旦の間が聞く。
まったく近頃の男の子は素直じゃないだから。
ギルバートの返事が遅いからカナリアちゃんと紅茶とクッキーを用意してカウンターに置くともう一度食べると聞いたら誘惑に負けて食べると返事して来た。
小気味良いサクサク感と紅茶の美味しいあっさりの旨味にほっこりする。
ギルバートは美味しいのか一個ずつ食べる度に顔が緩んでいる。こうーみるとやっぱり将来的に美形さんになるんだよね。未来のスチルでもかっこいい感じだったしと思ったときだった。
数刻前の魔物襲撃事件にやっぱり関わってるのを思い出したのだ、確かゲーム内である男にギルバートが唆されて化け物となったモンスターに傷を負いんだ。
そして偶然通り縋ったグライハイムに助けられるも大きな傷になってたせいか傷が残ったんだっけ。
この事件で恩を感じたギルバートだったがグライハイムの人柄とかに憧れもあって騎士を目指すって書かれてた。
ん? ふと思うんだけど、ギルバートの進路に向けてのフラグって私折ってない?
現に私が狙われてたしギルバート関わってないような。
「どうかしたのか? 人のこと見つめて1人百面相してるけど。」
「ひゃえ? いやーーなんでもないっしゅ!! うっ噛んだ!」
「プクク、ライナリア嬢の妹って結構面白いな。」
「........お姉ちゃんと知り合いなの?」
少し前にも思っていた、ライナリアは一応なりにも学園にも通ってないのに、なんで知ってるんだろうと。
ギルバートは私の質問に対して時々だけどお城で顔を合わせることがあるらしい。
「で、時々お茶会とかあるから顔合わせで知り合って良く君の事を自慢してること多いよ。」
「............。」
「困惑してる?」
「いえ、私は外に出ない姉の動向など知りえかったのですが...まさかの行動と言動やしりに驚きが隠せず。」
もしかしたら攻略対象者をコンプするほどに知り合ってたらライナリアのコミュニケーション能力に呆れと凄さを感じる。まあー私は出来ることならまだ関わりたくないけど、実際3人ぐらい関わってるんだよねーと。
「ふむ、君って僕とそんな年齢変わらなさそうなのに口調が大人っぽいね。」
「え? あ、どうかな。」
「うんうん、市場でも見かけたけど可愛いなーと。」
「へ?」
ギルバートがひょんなことを呟いたとき宣伝効果なのか、お客様が雪崩の如く入ってきてギルバートの声が聞こえなかったが気にしないでと言われ首を傾げつつもお客様の接客に集中することになったのだった。
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しばらくの接客は夕刻まで続きぐったりしてる頃にはギルバートは帰っていて、セーラさんとフォーカス先生とライナリアとカナリアちゃんで和気藹々していた。
私と言えば少々疲れてカウンターの奥の部屋で横になっていた。
「さすがに疲れたああーー。」
部屋の静けさに思いっきり呟いたとき、壁に寄りかかっているゲルフィンさんが苦笑していた。
「ゲルフィンさん接客中に無表情でやると余計にモテるよ。」
「........なんでそうなるんだ? まあー表情筋は君は死んでたな。」
「うっ...動かないだもん表情筋。それよりギルバート君がいたとき何で気配消してたの?」
少し横になりながら聞くとゲルフィンさんが近づく気配がする。ふんわりと私の髪を撫でるなりクスッと何故か笑う。
「つい癖もあってな、それにまあ2人のやり取りを見て和んでたからな。」
「........ゲルフィンが母性芽生えてる〜。」
「母性ってあのなあー。」
だってゲルフィンさんゲームじゃ、めっちゃクールだし。
対応なんてお父様と同じぐらい冷徹で冷たく、暗殺者の素振りなんて出たときなんて威圧とかあって怖い対象だったんだよ。
今じゃ何故かめっちゃ表情筋緩くなってるぞ!
ふふと思い出し笑い浮かべたら、ゲルフィンさんの手が止まる。
おや? 怒ったかね?
振り返ろうと思ったら、私の方に顔が近くてドキッとした。まっすぐに真剣な表情を向けてくるなりぼそっと優しいボイスで呟かれた。
「俺が優しく出来てるのはお前だけだぜ。」
「%$€%〜〜〜〜!!!!」
「なーに顔赤くなってんだ。」
「幼い女子の普通の反応だああい、ゲルフィンさんのバーカ!!!」
クククと笑い出すゲルフィンさんにプクーーと頬を膨らませしまう。
素出すゲルフィンさんって危険だああ!!
くそーー顔が熱いじぇ!
女心を遊んだ罪は大きいからな、いつか仕返ししてやる。
まだ笑うゲルフィンさんに起き上がると笑い上戸か! とついつっこんでしまった。




