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クッキーと新しいお友達3

お皿にクッキーをのせて、では実食とそれぞれ食べると意外にもサクっと良い音が鳴り響く。

もぐもぐと咀嚼して食べていくと前世で食べた味そのもので美味しい。クッキー生地とチョコが混じり合って口の中に広がるハーモニーは美味い。


アーモンドや抹茶とか他にもアレンジきくけど、今は美味しいクッキーが出来上がったことに満足した。


「へえーーチョコもクッキーに合うんだねー。食べていけばいくほどに甘味とチョコのほんのり苦味が混合してるし、風味も最高だね。」

「うんうん、これお店に出せるよお母さん。」

「そだね、試食とか食べてもらったらいいかもしれないねえ。それにバタークッキーにする時にもまた違う客にも惹かれるかもだしねえ。」

「セーラが商売人っぽくなってますね。」


サクサクと食べながらセーラさんが何か思いついたようにメモっている様子にフォーカス先生がツッコミ。

ライナリアは吟味するように選んでは、食べたあとに美味しいと頬を緩めている。

ゲルフィンさんはサクサクと無言で食べながらも味に満足しているようで小さく笑み、不意に私と目線が合う。


「美味しい? クッキー?」

「アレンジ前も美味しかったですが、サクサク食感や風味も変化して美味しいな、俺はコッチが好みだと思った。」

「ふむふむ、ゲルフィンさんも好きそうでよかったよ。他にも色々お菓子あるんだよ。」

「ほほう、そうなのか?」


レパートリー多いけど、材料ないもんね。


「うん。でも........材料ないからいつかね。」

「その時は楽しみにしておく。」


一枚齧ってからコクコクと頷く私にゲルフィンさんはハニカム姿は美形が笑うと絵になるよねえ。


「アルセイヌお嬢ちゃん、レパートリーまだあるなら私らに教えていただきたいわ、お店に出したいからねえ!」


ゲルフィンさんと和んでたらセーラさんに言われて、一瞬どうするか迷う。

レシピの開示でセーラさんには得があるだろうけれど、私1人にその権限はあるのだろうかと。


お父様にも相談しておく必要あるよね。


「いまのところ返事は保留で、お父様にも相談しておく必要あるかもと思うので......すみません。」


クッキーは少しのアレンジだからいいけど、ヘタに何かあったら怖いのだ。さっきの幻影っぽいのも気になるし。

セーラさんはハアー確かと思い直してくれたようで、返事は気長に待つよと笑ってくれた。


少しのお茶会なお菓子パーティーは終わり、さっそくならと試食用クッキーをラッピングしてお店に出すやつと、外での呼び込みをすることになった。


外はモンスター襲撃が落ち着いてきたようで、街の人達は普段の賑わいが少しながら和んでいた。 


私も外に出て呼び込みしたかったけど、いくら変装した状態でも危険がある可能性がありトラブルの不幸体質で何が起こるかわからないと店内に配置になった。


なので店のエプロンと髪をポニーテールにして接客することにした。


外にはセーラさんとライナリアに護衛でフォーカス先生。

店内は私とカナリアちゃんとゲルフィンさんという配置である。


「落ち着いてみると雑貨屋なのに色々あるよね。」

「うん。客層が違うお客様が多いの。」

「ふーん。お菓子売れるかな?」

「売れると思う、美味しいし。誰かにみんなの作ったお菓子食べて欲しいと思う。」


ちょいモジモジと恥ずかしそうに言うもんだから萌えた。

くーーーかわいい。


カナリアちゃんの可愛いさにズキュンと萌えてたら、お店のカランカランという鈴が鳴り振り向くと、そこには攻略対象者の騎士見習いの男の子のギルバート・フェルデンがいた。


再びの出会いにびっくりしてたものの、相手は私など知らないのだからと深呼吸する。


落ち着けーー私。


「いらっしゃいませ、何か入り用ですか?」


カナリアちゃんは少し照れつつギルバートに接客すると自分よりも小さな子に一瞬度肝抜かれて間が空いてたが、私も接客せねばと横に行くと何故かギルバートが驚いた表情を浮かべていた。


「え? 君........ここで働いてるの?」

「うんん、今回お手伝いさせてもらってるんだけど、会ったことあったっけ?」


私はモンスター騒動の時に見かけただけで、それ以外なら制定式ぐらいに見かけたぐらいだった。

えらい親しげな口調に驚いての質問だったもだけど、ギルバートはヤバって感じで改めて自己紹介してくれた。


「僕はフェルデン家の次兄でギルバート・フェルデンです。あなたの事は我が主君であり友人のユーグリッド殿下から聞いたので、つい物言いが........勘に触ったのでしたら謝ります。」

「いえいえに気に障ってなど、私はローランド家の二女でアルセイヌ・ローランドです。」


軽く淑女の礼をするとギルバートは何故か照れている。

私など微妙な顔立ちだけど、アルセイヌは可愛いからなあ。

それにやられたのか、罪深いねえーアルセイヌはと冗談はさておき、ギルバートが何を目的で来たのかと聞き出そうと思った矢先にカナリアちゃんがパタパタと何処から持ってきたのか、大きな箱を持ってきていた。


「お兄さん、フェルデン家って聞いたから........これ注文してたやつです!」


ちょいフラフラするのが危ないから近くの椅子に乗せておくように私が言うと頷き置いた。

ギルバートはカナリアちゃんにお礼を言うと大きな箱の中身を確認した。


「確かにポーションと携帯食だ。あとは小さな短剣だな。」

「お父さんが鍛治士だから数本作ってくれたやつだよ。」

「へえーー良い得物だ。代金はいつも通り送金しておくよ。」

「あい! ありがとうございます。」


えへへと接客できたことを喜んでいるカナリアちゃんにほっこりしてたとき、ギルバートが不意に一点を見ていた。

視線の先にあるのは新しいクッキーのお菓子。


「クッキーご所望ですか?」


私がクッキーのそばで聞くとギルバートは少々気まずげに頷くと言い訳の如く早口で話し始める。


「さっき外で試食して食べたんだ、そしたら美味かったし幼馴染の連中にも進めるのもいいかと思ったんだよ! だからけして僕が食べたいから買うんじゃないからな!!」

「........まあー要するにお土産分も買いたいんですね。」


しどろもどろの彼の言い分を汲んで、ちょいおかしかったけど気づかないフリをしてから何個いるのか聞くとだいたい4個らしいのでカナリアちゃんと2人で袋に詰めた。


「合計600セルムです。」

「はい、これで。そういえば、ここのクッキーアレンジは店主とカナリア嬢の2人で考えたのか?」


代金を受け取ってお釣りを渡そうとした矢先のギルバートの質問にビクッとする。

うっここで動揺したらバレるじゃんと思ってギルバートを見れば彼は返事待ち状態で見ている。


けして追求することなく。


「秘密守れるなら話す。」

「僕は口は硬いよ。で、実際はどうなの?」

「私がアイデア出してみんなで作ったかな。」

「........そか。まあー秘密なのはいいけど思いっきりライナリア嬢が宣伝してたよ。」


へ?! あれだけの緊張感あるやり取りしてると思った私とは裏腹に突拍子ないギルバートの発言に変な声が出て扉を開けると思いっきりお菓子の宣伝をぶちまけていた。


「これ! 妹と一緒に考えて作った最高のお菓子ですわ!! ぜひ! ご試食いかがです!!」

「さあー新作のお菓子だよーーー!! 可愛い子達手作りときたもんだあ、ほらーそこのお嬢ちゃんにお姉さんにお兄さん、ご試食どうだい!! 店の中には販売用のクッキーもあるよ!」

「おおーー1つちょうだいな!」


えらく盛況な賑わいに私は静かに扉を閉めた。

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