初めてのお使いと出会い2
ライナリアの焦り具合とショック具合からみて大事なものだと確認した私は、何がなくなっているのかと聞くとお買い物用のお財布と私とお揃いにと思ってたものがなくなっていたとのことだった。
泣きたい泣きたいのに我慢してぎゅーっとスカートを握り締めるライナリアにぐぬーと悔しさが滲み追いかけて取り返したいと思った時だった。
「フォーカス殿少々、彼女達をお願いします。」
「了解した。怪我させないように捕まえてくださいね一応。」
「......向こうの抵抗次第ですが、そうします。」
先生とゲルフィンさんがお互い笑顔なのに異様な覇気を滲ませて言うもんだから、こわ!! と思いつつも。
取り返し行くんだと感じゲルフィンさんに「怪我しないでね。」とつい心配して言えば。
一瞬キョトンとしながらも、クスクス笑い。
「そうですね、怪我せず戻って参ります。良い子で待っててくださいね。」
よしよしと頭を撫でてくるゲルフィンさんに何故に撫でると不満気になるも、そういえばこの人チート並みに強かったなあーと思い出す。
それを踏まえて心配する必要なかったんだけど、人はどこで死んだりすることもある。いくら強い者も、油断と言う言葉でだって死はあるのだから。
「うん。」
「...っ...はあー。フォーカス殿、アルセイヌのことよろしく頼む、この子は心配症なとこがあるので目を離さないでください、では!」
少し頭を撫でてからシュンと姿が消えるゲルフィンさんは、いつのまにか遠くを走っていた。
相変わらず凄い速さですねー。
「ゲルフィンにあすこまで心配されるとは、アルセイヌお嬢様は大事に思われてますね。」
「ほえ? そうなのかねー?」
「大事に思われてるわよ、私の妹渡さないんだからねえ!」
ふんすーとムスリと言うライナリアの不貞腐れ顔可愛い。
そんなライナリアにフォーカス先生はちょっと笑っている。
「元気出たみたいですね。」
「.......ふみゃあ!!」
不意にフォーカス先生にぽんぽんと撫でられて、ライナリアは撫でられた頭私押さえて妙な声が出て真っ赤にして猫が毛を逆立てるかの如く、ピョンっと距離をあけて睨んでいた。
警戒する猫みたいになるライナリアが面白い。
「レディーにきや...気安くあた...頭触らにゃいで頂きたいですわ!! うにゅうー噛みました、悔しい。」
「ふふ、すみません。あまりにも妹思いでなので可愛いなと。」
「かわ、かわいくありませんわーーばーかばーか。」
「お姉ちゃん墓穴掘ってるよ。」
「ううううーーーアルまでーー!」
ライナリアって意外と男性免疫低いのかな?
まあー年齢てきにも5歳だから当たり前なんだけど、へたに私より大人っぽい雰囲気あったっけ。
生活してて垣間見るゲームでは見られない素のライナリア。印象違うけど私はこんなライナリアも萌えるから好きだな。
「でも元気出たのは本当でしょ。」
「う...確かに。」
「ゲルフィンが戻るまで、もう少し色々見て周りましょうか? そうですねーあすこなど如何ですか?」
そこは青い屋根に可愛い感じの建物の店内にも雑貨屋さんって感じでもあるけど。
男女問わずに入れるような雰囲気で客も楽しげな雰囲気だった。
キョロキョロと店内を眺めてると、私らの側に小さな女の子と恰幅の良い女性が来ていた。
「おやおやフォーカス様じゃないかい、あんたがここに来るなんて珍しいねえ。ん? あんたいつ子供なんて拵えたんだ?」
「セーラさん私は子供など拵えた覚えはないですよ。あと久しぶりに会って早々、その言い回し変わってませんね。」
「はっはは! そうそう人は変わらんさ。それよりこの子らは誰なんだい?」
「あー私がいま家庭教師をしている生徒です。あとお2人はグライハイム公のご息女ですよ。」
「.......!! まじかい!!」
フォーカス先生は頷き肯定の意志を伝えると、セーラさんはちょい奥に来なって感じ誘導し、私とライナリアにも同行するようにとフォーカス先生に伝えて、奥の部屋に行くことになった。
部屋の奥は生活住宅って感じでほっこりする雰囲気を醸し出してセーラさんの子供の女の子はちょこんと椅子に座る。
私とライナリアよフォーカス先生の席はソファーにセーラさんは立ったまま腕を組んで私とライナリアを見てやれやれって感じでため息を何故かついている。
「フォーカス、あんたが家庭教師してるのは風の噂で知ってたんだが、なんでまたローランド邸のとこによりにもよって行ってるんだい。」
「...?...別に問題ないと思いますよ。」
「.......はあー、まあーあんたが良いならいいさね。ただねえーいま...前に教会に襲撃事件あっただろう。そこで聖女誕生事件がどうにもきな臭い噂があってね、ローランド公の...ご息女に関わっているんじゃと国が探ってるらしいんだよ。」
「噂ですか。どうりで......。まあーその話題は一旦おいておくましょうか、その話しを本人達に聞かせるような嫌味などないでしょう。」
セーラはハッとフォーカス先生に言われて今更気づいたようで、そうだったーー!! って感じで私達に詫びを入れてから謝罪しとフォーカス先生との関係性に自己紹介をしてくれた。
彼女はフォーカス先生とは昔ながらの知り合いで、小さい頃にもおっせかいで色々教えてあげたんだって。
その話しをされたフォーカス先生はバツが悪そうな表情を浮かべてたものの、どこか楽しそうな雰囲気にあっ!! って思い出した。
そうだここってヒロインが学園のアイテムを購入する場所だと。そんでもって......確か...このセーラさんはフォーカス先生ルートで関わっているんだよね。
フォーカス先生の好感度が中間の上辺りで一緒に出かけた時に自由研究して素材足りない事を思い出したヒロインが、ここに偶然立ち寄ってセーラさんと女性と出会ってたっけ。
確か......名前は。
「あ、そうだった。アルセイヌ様とライナリア様、この子カナリアも同い年なんで友達になってくれるかい?」
そうそうカナリアだあ。
ん?カナリアって女店主になってて、目がどこか死んだ感じになってたような?
でも...いま見てると恥ずかしげながらも目は死んだ感じじゃないような?
などと一瞬疑問が過ったものの、会話中に物思いに耽るのも失礼だと頭を切り換えてからコクコクと頷きカナリアさんに向いてニッコリと笑ってよろしくと笑顔を向けたら、何故かぴゃああーーって言ってセーラさんの方に近づき隠れてしまった。
「うー私って怖い顔でもしたかな?」
少々ショックを受けている私とは対比しライナリアとフォーカス先生は何故か笑っていた。
アルセイヌ様の笑顔って意外と綺麗で可愛いから、カーラは照れてるんですよ。」
セーラさんがフォローするように言われて、笑顔が可愛い? と疑問が湧く。
みんなはたまに私の笑顔を見て可愛いと言うが、実際鏡でみてちょい表情筋ヒクヒクしてても可愛いと思うのだろうか?
たぶん突発的に良い笑顔ができているんだろう、うん。
「不快に思ってなかったら良かった。私も仲良くなりたいからよろしくお願いしますカナリアさん。」
嫌われてないなら少しでも仲良しのお友達は欲しいから挨拶してみれば、コクンと頷く仕草が可愛い。
「カナリアさん私も仲良くなりたいので、これからよろしくですわ。」
ひょっこりと私の横から手を出すライナリアにカナリアさんは少し戸惑いながらも握手を返し、二ヘラと笑う。
ううううーーここにカメラあれば激写できるのに!!
少々手をワキワキしてしまう私にフォーカス先生がどうかしました? と言うものだから素直に萌えを激写したいです! と言いそうになり口を紡ぎそうな気持ちを我慢して、なんでもないと手を振って大人しく座っておいた。
オタク精神など見せたら普通に引かれるもんね。
そんな私の様子をフォーカス先生が心配そうに見てるとも知らず、思いっきりため息が口から溢れたのだった。




