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儀式の不安

さあさあー事件が始まる予兆です。


私は馬車に揺れながら初めて外を眺めていた。

何故に外かって?

そんなの制定式があるからだよ。

年齢的にも5歳ぐらから受けることが決められてるみたい。


スキルとかステータスとかも開示すようだけど、私はこの儀式にはあまり行きたい気持ちにはならなかった。


だってアルセイヌのステータスって確かあまり良い印象なかった気がするんだよね。

設定欄にも僅かに書かれていたけど、妙に胸騒ぎがして不安だった。

出かける前に紫苑に触れてると落ち着いてきたけど、再びまた不安が込み上げてると暖か体温が手を包まれる。


横をみるとライナリアが心配そうに見ていた。


「大丈夫? やっぱり初めての儀式だから不安だよね。私もドキドキしてるから一緒だもん、側にお姉ちゃんもいてあげるから頑張ろう!」


ぎゅっと包んでくれるライナリアの笑みにコクンと頷く。

同じ歳なのにちょっと大人ぶる可愛いライナリア!

正直萌えます。


「そういえばアル、腕輪今回は可愛いのにしてもらったんだね。」

「うん、お誕生日のだからお気に入り。」

「そっか、私は首飾りなんだよ青い宝石なんだ。」


おおーめっちゃ似合ってて可愛い。


「なるほど、綺麗だね。似合ってるよお姉ちゃん。」

「...っ!! アルーーっ!! アルも似合ってるわよ!」

「あうー抱きつかないでよーーくるぴい!!」


ぎゅうって力入れたら私の身体潰れるーー!

ペチペチ降参コールを打つと、ゆっくり離れてくれる。


「ごめんごめん、お姉ちゃん呼びって嬉しくて。」


えへへって笑うライナリアにアルセイヌのこと妹のこと本当に大事にしてるよね。

きゅうと胸の温かさを感じてると頭を撫でられる感触に気づいた。横を向けばお父様が優しく微笑んでいる。


「緊張はしていないようだねアルセイヌ。」

「え....うん。お姉様のおかげかも。」


本音はまだ胸騒ぎが取れないけれど、緊張してるか? と言われれば肯定できるほどにライナリアの行動によって身体の強張りが解けてることに気づいたのだ。


やっぱり緊張してたんだ、私。


「ライナリア、アルセイヌ。これから向かう日教会だ、お前たちと同じ年となる子供が何人もくるが私らもいるのだと安心して儀式に挑みなさい。」

「「はい!!」」


2人して行きのあった返事にお父様は和やかに笑み、すぐにゲルフィンさんに目配せしたあと書類に目を通していた。ゲルフィンさんは私らに教会まで着く間、暇にならないようにある物語を聞かせてくれた。


この国には白銀の髪を靡かせて金色と赤い瞳を持つ神がいたが、その神は女神を嫌い人間を憎しみの対象として争いや負の連鎖を生むような行いをしていた。


女神が神セフィアの人間達に行う行動を悲しみ、セフィアを説得するも聞き入れてもらえない、まるで闇そのものに取り込まれたように。

何故と思ったとき、そこにはある意味残酷で非道な出来事が意味していたのだと知る。


セフィアが人格崩壊するような。

だがそのことを知れば知るほどに闇は深くなり.......そしてセフィアを女神が消滅させてめでたしって話しだった。


「この物語は伝承をもとに作られた物語なんですよ。本来はもっと違う話しだったりするのですが、子供が楽しめる話しとして作られてまして、疑問が湧きますよね。」

「うん。話しは面白いんだけど、どうもアルセイヌのような神様が不幸な結末になるのが嫌かも。」


ぎゅむっと私の手の上にライナリアの手が置かれる。

暖かい温もりにライナリアを見上げると何か強い意志でゲルフィンさんを見ていた。


「そうですね。ここは諸説もあるのです。我々が住まう場所には畏怖の対象としてセフィア様が使わされてる。それは何故か? 実際にも闇が支配していたことがあった、まるで物語のようなことが。」

「.......人事的災害ですね。」

「そうです。」


ライナリアは幼いのに頭がいいのか次々と討論していたものの、私は妙に胸のざわつきが強くなって手を眺めていた。


何故かこれから先の未来にも同じ事が怒るのでは? と。


「アルセイヌ大丈夫だ。」

「え?」


お父様の優しい声に上を向くと心配しているようで決意ある表情が私に向けられていた。


「絶対守ってやるからな。」

「う、うん。」


優しくもアルセイヌを思うお父様の、まっすぐな気持ちに戸惑いながらも頷いた頃合いに馬車が止まる。

私とライナリア、お父様にゲルフィンさんは馬車から降り教会の中へと進んで行く。

この先に待つ運命の歯車が動くように、私は彼等と対面していくことなる。

カチカチと時計が針を刻むように。



次から色々と攻略対象者やヒロインと出会いますので是非次回も楽しみにしてください。

最後まで読んでくださりありがとうございました♪

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