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絵本の中にあるエピソード

ゲルフィンさんが私の叫びにすぐに反応してくれて私の頭に乗っかっている子犬を引き剥がそうとするも、絶対に離れてたまるかと言わんばかりの抵抗をみせる。


ガシッと掴まれた爪は立てられたないけど掴まれた頭はちょっと、いや結構いちゃい。


その様子にゲルフィンさんは引き剥がすにを諦めた。


「アルセイヌお嬢様、何故かフェンリルの子に好かれちゃってますね、諦めて親がくるまで保護と躾お願いします。」

「ほえ!? 何故に!」

「そうだね、フェンリルって一度気に入った相手だと思った人物に懐かれたら離れないって本に載ってたわ。」


だから諦めてねとか2人に言われてしまう。


ええええ! 何故、なんでやねん! とツッコミ入れる間も与えてもらえず。そうそうにお父様の所に戻る。


アルセイヌとライナリア、ゲルフィンが戻って来たことに安心していたお父様とお母様だったけど。

私の頭上にいる子犬を見てお母様も驚き。

お父様はすぐに近づくなりゲルフィンさんから事情を聞くなり私をみてはハアーと呆れつつ優しく声かけてくる。


「アルセイヌ...この子に世話頼めるかい? きっと迷いこんだだけと思いたい。」


思いたい? えらく意味深で聞き返したい思いがあったが、まっすぐなお父様の願いに頷く。お母様にはライナリアの説明と経緯を聞いたようで私を呼ぶなりぎゅーっと抱きしめられる。


「お母様?」

「アルセイヌ......大好きだから無茶しないでね。」


ふむ、無茶した覚えもないしフェンリルの子犬と何故か仲良くなっただけなんだけど。

なんかお母様のトラウマにでも引っかかるのか、アルセイヌへの心配からの思いなのかもと頷く。


お母様に温もり温かいなあーー。


散歩はそうそうにお父様のお時間になり解散することになる。


お母様は身体が弱いから無茶しないようにと部屋に戻りライナリアは私といたがってたが、お勉強の時間だと言われ私にまた遊びに行くからねと言い残し連れて行かれた。


庭には私とゲリフィンさんとフェンリルの子犬だけ。


「ゲルフィンさん、私も普段だったらお勉強の時間になるんじゃありませんか?」


なんとなくアルセイヌの記憶でそう聞いてみたら。


「普段であればですね。ですがアルセイヌお嬢様は病み上がりですし、フェンリルの子犬拾っちゃいましたから、少々色々と教えて差し上げようかと。」


ニヤッと悪役っぽく笑うゲルフィンさんの笑みを浮かべる。

クッ悪役顔も美形で絵になりやがりますこと。


「色々ってなんですかね。」

「それはな......。」


****


何故でしょうか? 私はまずはとゲルフィンさんの指導のもと家の書庫で魔術書の絵本【初心者でも育てられる聖獣育成方法】を読まされています。


机にはゲルフィンさんの丁寧な文字でこれから行う手順書が置かれ、私は椅子に座ってお勉強スタイル。


うーむさっき病み上がりだから勉強なしではなかったのですかゲルフィン先生!!


少々文句を心の中でつきつつページを捲っていくと、聖獣とピンクの髪の女の子が仲むずましいイラストが書かれていた。


ふむ。何処となく乙女ゲームのヒロインに似てる。


そういえばと思い出す。

あのエピソードを......。


むかしむかし、あるところに桃色の髪をした女の子がいました。女の子は森に住み、淡い泡が立つ湖の畔には大柄の黒い狼がいます。


お互いに交わることのない両者だったが、運命は2人を交わらせるのです。

怪我をしてしまう獣を通りで少女が見かけ、獣に寄り添い縋りつき彼女の涙によって獣の傷で癒す。


本来ならば穢れた怪我は治すには憚れたのだが、彼女の純粋な涙は黒い呪いをも消してしまったのでした。


このエピソードは彼女=ヒロインが後に(アルセイヌ)が神獣な獣を呪い、ヒロインを狙った時のバッドエンドで流れたエピソード文章。

最後には黒い騎士と獣、ヒロインのスチルが綺麗だった。


でも......この絵本とは関係ないと思いたい。



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