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奇襲事件で考える気持ち

あの奇襲事件から5日後には私の部屋寝具や家具は新しいものに変えられて防御壁の魔法具を設置してくれたおかげで安心して戻ってきることが出来た。


そうそう、姉ライナリアとは部屋の模様替えしている間に色々と遊んで貰えたりしたんだよね。


お絵描きとか絵本も読んでもらったり。

ライナリアは読んでくれるときに妹を大事に思ってくれてるようで一個一個絵の特徴とか教えてくれて、私がちょっと疑問に思ったことも教えてくれる優しい性格で1人萌えました。


だから自分の部屋に戻った後も絵本を見つつお勉強をするのが日課となっていた。


「大きな熊さん、何故あなたは身体が大きいの? それはね君を肩に乗せることも、守ることも出来るからだよ。おおー頼りになる、ありあと。」


ふむーー惜しい。最後


いま読んでるのは『大きな熊さんと赤頭巾』。

大きな熊さんと赤頭巾が冒険をする話しで面白いんだよね。

シリーズ物全16巻ずつ。


幅広い年齢層で小説も出てるとか。


いつか全制覇してみたいものだね。


ちょっと舌がヒリヒリして手で仰いでいたとき、ゲルフィンさんのクスクスと笑う声が耳に入る。


「笑わないでよ!」


むうーと怒ってみせると。


壁際で警護をしているゲルフィンさんがまだ手を口にあてて笑っている。もうー笑わないで良くない!

誰しも失敗はあるんだぞ!


ゲルフィンさんは奇襲事件からお父様から私の護衛にと、そのままついてくれるようになってくれて、さっきみたいに噛んだら笑われることが多いのだ。


こんな表情崩すキャラだったかと疑問が湧くが、イケメンの笑みを鑑賞できるのは眼福なのでよしとしておいている。


ちょっとムッとするけどね。


「いやはや、毎回毎回...同じとこで噛むものですので可笑しくて。」

「ぐぬぬ、しょうがないと思うんだよ! 文字まだ難しいとこあるんだもん。

「...年齢的にはまだ覚えたてですしね。それよりだいぶ気分転換になったようで安心しました。」

「え? あ、うん。」


奇襲事件後にはライナリアと遊んではいたけれど、夜になると襲撃のことを思い出して怖さと震えで縮こまることがあったり、泣きそうになって我慢したりと情緒不安定だったのだ。


「......あ、すみません。思い出しましたか?」


もうーそこで心配するとか卑怯だと思う。


私は首を振りいま落ち着いているから大丈夫と笑むと何故か心配そうに見られて苦笑する。

ゲルフィンさんって優しいね。


「本当に大丈夫だから、それよりも奇襲事件って解決したの?」

「.........一応はですね。」

「一応?」

「アルセイヌ様には事件の真相はいま話してもとなってますので、一応と。」

「ふーん、でも私は知りたいって言ったら教えてくれるのかな?」

「知りたいですか?」


まっすぐに腕を組んだまま私を真剣な表情で見られ、目は冷徹な感じでさっきまでの柔らかい表情とは違い、ちょっとビクッとなる。

でも知っておきたい気持ちが大きくコクンと頷いていた。


なんとなく予想と直感は私は良く当たるのだ。


奇襲事件、それはアルセイヌが昔語らなかった秘密ではないのか? ここでにある傷やスチルでチラッと見えた腕を刻んだような自傷の痕が私の脳裏に思い出したから。


「...ふふ、さすがは主の子ですか。これは秘密にせよとの命令だったのですが、少しだけ話して差し上げます。アルセイヌ様の容姿は不運で毛嫌いされたモノとして、何処らの貴族が狙い攫うつもりだったのです。主の地位剥奪させる人質として脅しをかけるために。」

「...私の容姿...。利用される存在なんだね、そっか。」


不意に窓に映り込む姿、髪と瞳が国にとって不吉な存在になっていることか。

そしてそれを何処からか聞き真相を確かめ私を攫いお父様の地位と匿い報告しなかったことを利用したって感じかな。


まったく前世持ちの頭のせいで理解しちゃう頭が嫌だなあ〜。もしかしたらゲームでゲルフィンさんの助けが来なくて、拐われたりしてさあー。そこで真相を無理矢理聞いたあと、まだ小さいから理解出来なくても断片的に自分の存在なんてと小さな傷ができたのかな?


手視線を向けて小さな手で抱えるの辛いんじゃと落ち込んでると。

いつのまにか近くにいたのか、ゲルフィンさんが優しく頭を撫でていた。


ゲルフィンさんの温かな手にちょっと潤んでしまう涙を拭い大丈夫だから、ありがとうとお礼を言うと撫でる手を止めて。


「強がる必要はない、お前はまだ理解する歳じゃないんだ。主達はお前を大事にしてる、それだけは理解していろ。」


ちょっと照れながらの口調を崩す不器用なゲルフィンさんに、優しいよねほんとにとほっこりして頷いておいた。

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