表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

第1話 念願のモンスターテイマー

 此処は、ヴォル村の教会。そこに、今日で10歳になる1人の少年が儀式を受けに来ていた。


「リュンよ、お主にこれよりモンスターテイマーの力を授ける」


 リュン・ディラート。10歳。彼が暮らしてるヴォル村では10歳になると、村に住む賢者がモンスターテイマーの力を授けることになってる。


「ジャロンさん、よろしくお願いします」


 少年は、念願のモンスターテイマーになれるとあって珍しく笑みを浮かべている。


「任せておくが良い! いつも暗いお前が微笑むくらい待ち遠しかった事が、わしにも伝わってくるぞ! モンスターをテイム出来る様になればお主の心の隙間を彼らが埋めてくれるのをわしらは楽しみじゃ!」


 賢者は、少年の頭を撫でる。


「『我、ジャロン・マジカルト。賢者の名の下にリュン・ディラートへモンスターテイマーの力を此処に授けん』」


 紫色の光が少年を包む。それにより、リュンは念願のモンスターと契約を結ぶ力を得た。


「ありがとうございました。ジャロンさん。それじゃ俺は、行ってきます」


「やはり、旅にでるんだな。何か有れば帰ってくるんだぞ! わしらは、いつでもお前の味方だからな!」


「あぁ、どうもです。ではこれで」


 リュンは、駆け足で外へ出て行った。






「それで結局、村のモンスターを渡さなくて本当に良かったのか心配じゃな……」


 村の村長が教会でジャロンへ少年の事が気がかりな事を伝える。


「わしも、昨日テイマーになった子供達に授けるモンスターを受け取らないかと伝えたのだが、いつものように例の友達になったモンスターをテイムするからいらないと言ってたから、無理には言えなかった……」


「私らが村で育てている初心者用のモンスターではなく、リュンが確か7歳くらいに出会った謎のモンスターを選ぶとは癪じゃが、そのモンスターのお陰であの子は、今まで何事も無く生きて来れた訳じゃからな……」


「それに、わしら賢者も村に3人もいてあの子の両親を守ってやれなかったからな……わしがもう少し早く気付いていれば、リュンを寂しい想いをさせないで済んだのだが……」


 2人は暗い空気を放ち、ため息を溢す。






「リュン!村の奴らには挨拶したか?」


「うん、一応したよ!」


 リュンは、村の近くにある洞窟へ来ていた。


 そこで、真っ黒な水晶の前でリュンは楽しそうに会話をしている。


 彼と一緒にいる時、リュンは自然と笑顔になれる。


「それじゃあ、封印を解くよ!」


 リュンは、謎のモンスターが封印されているクリスタルの横に左に赤と黄色の水晶。右に水色と青の水晶に、赤には炎、黄色には雷、水色には氷、青には水である属性の魔力を流し込む。


 漆黒のクリスタルは、禍々しく輝き、封印されていたモンスターが解放される。


 そのモンスターは、3つの首を持ち強靭かつ巨大な姿な災禍の邪竜。種族名はアジダカーハ。


「ガハハハッ!!封印解除ありがとな!リュン!それじゃ、早いうちにテイムしてくれ!我の封印が解けた事が村の奴に多分伝わっている」


「了解!」


 リュンは、禍々しい邪竜モンスターに右手をかざし、彼に意識を集中する。


「テイム!」


 少年の右手から放たれた魔力がアジダカーハの全身に伝わる。そして、アジダカーハの魔力の一部がリュンに流れてくる。


「これで、契約完了だね! さあ行こう! アッシュ!」


「良し! そんじゃあ、我の背中に乗れ!」


「よし! それじゃあ、レッツゴー!」


 アジダカーハのアッシュは、洞窟を駆け出し外へ出る。


 そして、空へ羽ばたこうとした時……


「何をやっているんじゃ!リュン!!」


 アッシュの封印を解けた事が、彼の推測通り3人の賢者に伝わっていたらしく、村長と3人の賢者がやってきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ