表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天界最強の天使!  作者: 蘇我稲見
5/16

エデン戦線 戦い前 -えせ貴族の反発!-

 俺、熾天使アルフォンス・ヘルグヴィスト・ルシファーがエデン戦線司令官として派遣されてから1週間が過ぎた。一通りの隊長くらすの大天使を全てようやく理解することができた。部隊の配置を一新し、戦略上邪魔になったり無駄な塹壕は放棄した。

「はぁ…」

ため息を吐いた。俺の部下にはエデンの園の番人として働いていた天使序列第二位の智天使が3人、序列第五位の大天使が300人、序列最下位の天使が3万、そして徴兵された兵士300万人がいる。構造としては1人の天使が兵士100人を従え、1人の大天使が100人の天使をまとめ上げる。そして1人の智天使が100人の大天使を従える。

 この軍的構造は数百年前に生まれ、現在に引き継がれている。

「やっほ。遅いよヘルスト。」

陣幕に入ってまず声を掛けてきたのは神立使徒学院で同級生だったコルネリア・エトホーフトだ。いや、今はコルネリア・エトホーフト・マスティマという名だった。天使序列第二位の智天使に任命されていた。

 彼女は16歳の時に交通事故で死んでしまったらしい。現在の年齢は31歳、俺と同い年だ。顔や見た目は変えていないらしいが、胸は貧相だが美人と言っても過言ではない。生前いじめに合い、10歳頃に髪が白くなってしまったそうだ。その白髪は現在、美しい銀色となっている。彼女は髪を短く切っているが、それもまた似合っている。天使と言いう感じはしないが軍人という雰囲気を纏っている。

 智天使である以上、半獣半人であるがそれでは私生活が大変なため、普段は人型に変身しているそうだ。

「ねえぇ、ヘルスト、あんた最近目のくまひどいよ。ちゃんと寝てる?」

そう言ってコルネリアは俺の顔をまじまじと見つめて来る。距離にして5センチメートルだ。

「あの、さっさと作戦会議を始めて頂けませんかね。これだから地上出身者は。」

2人の会話に口を挿んできたのはもう1人の智天使が意地悪く突っ掛かってきた。

「この俺はティードリッヒ公爵家嫡子たる智天使長ハインツ・フォン・ティードリッヒ・エルヴィエルだぞ。一介の熾天使ごときが命令していい相手ではない! 公爵家嫡子に対する礼儀ぐらい守ったらどうだ⁉ 悪魔王の末裔、熾天使アルフォンス・ヘルグヴィスト・ルシファー。」

ティードリッヒ家の話は聞いたことがあった。数百年前、死んでしまったティードリッヒ家の当主は天界にて商売を始めた。目の前にいるハインツとやらはれっきとした天界人らしい。地上で生きたことがないのだ。そして、天界人は今の様に地上人を馬鹿にする。

「ではお前に忠告する。俺はお前の上司だ。部下でも臣下でもない。そもそも現在西方神国に貴族など存在しない! お前の出身だというティードリッヒ家は過去の栄光にすがる愚かな家だ。西方神国に住む者は全てが平等! 我々が唯一臣従するのは神のみ! これ以上私に家がどうとか言ったら私の権限でお前を智天使から解任する。注意しろ。」

 こういう自分勝手な奴にはきつく言わなければならない。こういうやつは死にやすい。まぁ、はっきり言えばこいつは死んでくれても構わないのだが西方神国有数の富豪の嫡子ときた。死なれては俺に火の粉が降りかかるかもしれない。

「こ…この俺に忠告だと⁉ お前は何様だ! 俺に命令するのか⁉  俺の家は商いの神ヘルメス様からの信頼が厚いのだぞ!」

 懲りもしない自称貴族の嫡子が抜刀した。嫡子は目を瞑り、数秒後に剣から火が出た。

「熾天使風情が!」

 剣を振り下ろすと、俺に向かって炎の斬撃が襲ってきた。自称貴族の嫡子は笑みを浮かべた。バカめ、勝った気になったのだろう。

 俺がぱちんと指を鳴らすと、炎の斬撃は空気に舞い戻った。もう一度指を鳴らすと、自称貴族の嫡子は空に持ち上がり首が絞めつけられた。

「俺の力は熾天使としての力だけだと本当に思ったのか? 俺には個人的に地母神ガイア様の力の一端が授けられている。智天使風情の力で勝てるわけがないだろう。ばーか、ばーーか!」

動きがとれないバカえせ貴族の嫡子に思いっきり悪口を怒鳴りつけた。コルネリアも一緒になって愚かな智天使長に暴言を突き付ける。見事なチームワークだ。クール系キャラ崩壊? 知ったことか。俺は俺自身に正直に生きるだけだ。

「むふふふふ、俺はエデン戦線で一番偉い者だ。君は私の傀儡であればよいのだよ。」

 意識を失った智天使長を地に落とした。俺は彼に謹慎を命じ、残りの2人の智天使と共に戦うこととなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ