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天界最強の天使!  作者: 蘇我稲見
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エデン戦線 -エデン戦線の様子ー

 エデン戦線、それは東西戦争での最前線の1つだった。かつてエデン戦線には「エデンの園」と呼ばれる理想郷があったそうだ。西方神国の管轄だったエデンの園はいまや東方日ノ本の国と西方神国で土地を2分し、戦況は膠着、日々美しい景観を血に染め上げていた。

「やはり強いようだな。日ノ本の軍は。」

何百回目の突撃に失敗した味方を上空から眺めながらアルフォンス・ヘルグヴィスト・ルシファーが吐き捨てた。

 元来、日ノ本など天界では東方の小島国であり、到底西の大国西方神国と渡り合うことなど出来ないはずだった。だが、日ノ本は今の天照大神が就任すると軍備の増強を始めた。そもそも、東西戦争に日ノ本の軍は徴兵をさせていない。戦っている皆が神の使徒たる獣なのだ。数こそは西方神国が勝っているが質は日ノ本の軍は西方神国軍を凌駕している。西方神国軍は戦線を張るたびに日ノ本の軍に敗れ、エデンの園まで戦線を後退させたのだ。

「あの獣は1体でこちらの兵士10人を相手取れるレベルかな。10匹の群れを1匹が指揮して、効率よく攻撃を繰り返している。」

 エデン戦線も膠着状態が続いているが、西方神国軍が劣勢なのは変わりがなかった。日ノ本の軍が大挙エデン戦線に進撃してきたときは大神ゼウス自らエデン戦線に赴き、日ノ本の軍を撃退して見せた。その時の雷霆による攻撃が地上にも被害をもたらし、俺が死んだそうだ。

 日ノ本の軍は4方面から侵攻してきている。海路を使い、港湾都市クウェートを根拠地に陸路を使ってトルコ方面から進撃してくる熱田大明神軍10万、海路を伝ってジブラルタル海峡から西方神国領に直接侵攻せんとする伊弉諾尊イザナギノミコト軍、伊弉冉尊イザナミノミコト軍、大山祇命オオヤマツミノミコト軍、それらが合わせて15万。スウェーデン方面から侵攻してくる天之御影アマノミカゲ軍5万。陸路を使って北方から迂回してきた天照大神率いる日ノ本の軍主力70万。日ノ本の軍の総数は約100万だそうだ。対する西方神国が有する総兵力は4000万、数的には40倍と言う数だ。

 だが、現在西方神国は40分の1の敵に翻弄されている。既にトルコ戦線は崩壊、最終防衛ラインとされてきたイスタンブル砦防衛戦でも熱田大明神軍10万が守備軍100万を壊滅に追い込んだ。イスタンブル砦は西方神国神都オリュンピア防衛の要として建造されたものだった。それが堕ちた以上、神都は危険にさらされることになる。そこで西方神国は理想郷として美しい景観を保ってきたエデンの園を改造、絶対防衛線として主力軍を配置していた。

「つまりは、試験みたいなもんか。ハイリスクだけど。まぁ、俺が試験に不合格を付けられてもそこそこの役職には就けてくれるよなぁ。あ! でも、もし戦線を崩壊させたら死罪⁉」

 エデン戦線の上空を12枚の白翼で舞うアルフォンスが独り言をぶつくさ言う姿が監察官である主天使数名に確認された。

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