表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天界最強の天使!  作者: 蘇我稲見
15/16

雷龍が鍛えた者たち

 「始め!」の合図でレイが片手を振り下ろした。後方で浮遊している天使10名が一斉に力を解き放つ。

 戦略規模の聖術が同時に10以上トゥグリルの部隊に降り注ぐ。その間にその他の天使でトゥグリルの部隊を包囲する。流石は智天使最強と噂されるほどのレイが育てた部隊だ。

 トゥグリル部隊の上空で大きな爆発が起こり、煙に包まれる。


「この程度ですか?」


 煙を吹き飛ばし、出てきたのはトゥグリルだった。トゥグリルは右手で最初に放たれた戦略規模聖術を握りつぶしたのだ。

 トゥグリルが腕を振り下ろす。先程呼んだ4人の天使(大天使格~天使格だけどA⁺ランクはあるであろう)が動き出した。


「は……。」


 後方で戦況を眺めていたレイが呟いた。眼前では自分が鍛えぬいた2000の精鋭がたった4人の天使に蹂躙されている。


「全軍! 一時後退! 聖術特化の天使は後退の援護を! 後退した後縦深陣を築き、敵を誘い込んだのち殲滅する! 恐れるべき敵はたった4人だ!」


 レイの澄んだ声が響く。だが、その命令は実行されなかった。撤退しようとしても4人の天使が撤退を許してくれないのだ。背を見せればすぐに遠距離攻撃を受ける。指揮官たるトゥグリルを直接倒そうと動いた天使もいたが、トゥグリルは空中で絶対防御結界を自身に張り、30分は持つであろうその結界を破れるものはいなかった。


「ちっ、行くぞお前ら!」


 レイが動き出した。周りにいた2名の天使も後に続く。


「私があの4人の化け物を叩く! お前ら2人は援護しろ!」


 そう言ったレイの行く先を1人の天使がふさいだ。


「ボクが相手ですよ~。智天使と戦えるなどそう機会はありませんから!」


 目の前の可愛らしい天使がそう言うと、レイの左右を守っていた2人の天使が地に墜ちた。


「貴様! 何をした!」

「普通に落としただけですよ。トゥグリル様の言いつけ通り殺していません。」


 寒気を感じた。目の前に立っている天使は只者ではないと本能が言っている。

 レイは覚悟を決めると聖剣ダモクレスを引き抜き、目の前の天使に躍り掛かる。

 レイの渾身の一撃は目の前の天使を脳天から切り裂いた。そのはずだった。手ごたえを感じなかったレイは突如として腹部に痛みを感じた。目の前の天使が腹部を蹴りつけたのだ。

 無防備に蹴りを受けたレイは地面に激突する。辛うじて意識はあるようだったが、力の大半を地面に激突する際に衝撃吸収に使ってしまった。


「とどめだよ~! “天地轟雷”!」


 その天使は笑顔で右手を天に向けた。天から雷と言うには大きすぎる力が一挙にレイに降り注ぐ。……そのはずであった。


「止め! “煉獄旅団・龍撃中隊”の勝利!」


 レイの目の前であの轟雷を片手で防いだのは“煉獄天使”こと熾天使アルフォンスだった。


 俺は危機一髪でトゥグリルが鍛えぬいた中でも特に強くなった4人の天使の1人ヴェルニカの轟雷からレイを守った。あいつ殺す気だったな…。


 こうして4つの部隊の訓練が終わった。午後に他の部隊の訓練を行う予定だったが、中止にした。トゥグリルの部下4人が暴れすぎたせいで訓練場の周りに張られていた守護結界が崩壊したのだ。


 後に雷龍四天王と呼ばれるのが、ヴェルニカ、ランハルト、クロエ、フェーリアだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ