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お妃さま誕生物語  作者: violet
本編
9/102

国境に向かう

ヒーロー真っ黒、頭の中ちょっとこわいです。

早朝から、1台の馬車が国境へ向かっていた。

一昨日、隣国の革命が勃発してから、増えた馬車の1台のように見えた。

その周りには、それと気づかぬよう側近の乗る馬車や警備の私兵が馬に騎乗して走っている。


いつもは側近と書類を持ち込んで馬車に乗っているリヒトール・マクレンジーも

今日は、妻を膝に乗せて二人きりだ。

結婚式の後、初夜に無理をさせたのはわかっている。

初めてだというのに、止められなかった。

これが、愛する人と身体をつなぐということか。

出血量が多かった、とても痛かっただろうに。

「リヒト様と一つになれたのですね。うれしい。

かなわぬ夢と思ってました。」

痛さに耐えながら、表情をほころばせた彼女のなんと愛らしいことか。

乱れるシーリアに夢中になった、情事の後のけだるさも甘いと初めて感じた。


意識を失っているがごとく、眠っているシーリアの髪をなでる。

つらい身体で、馬車での長距離移動の負担は大きいだろうが、今が一番国境を通過しやすい。


どんなに借金させても、所詮は商人、国相手では踏みつぶされてお終いだ。

そうはさせないのが、商人の手管だが、事情が違う。

王家に執着される娘、今は逃げるしかない。

この女を奪う者がいれば、地獄の底まで追いかけるだろう自分がいる。

国に対抗するには、その国より強い国になるしかない。

どうやって、国を手に入れるかは準備は整ってる、手に入れた国をセルジオ王国より強い国にすればいいのだ。

王になるなど、面倒なものでしかない、すでにマクレンジー商会という一大帝国があるのだから。

だが、シーリアのお妃教育、せっかくだから役に立たせてやろう。


有能な人材はすでに育て上げているが、これからさらに必要だ、いくらいてもいい、金のために裏切らない人間はたくさんいる。


その前に革命をどうするか。

この1週間、あまり仕事ができなかった。

それより大事なものを手に入れたから、いいのだが、仕事の方は待ってくれない。

滞った分はすでに采配してあるが、このまま武器支援だけでは足りまい。

革命を先導させたシュバルツもまだ呼び出せないだろうから、こちらから行くしかあるまい。

自分の目で確認しないと今後の手筈も違ってこよう。

忍ばせている者達は上手くやっているようだ、あれらが国の中枢として動くようになれば、落ち着くだろう。


もっと危険なところにも行った。

それが、今はシーリアの側を離れがたいと気が付く、置いていくこともできないし、

危険とわかってる場所に連れて行きたくない。

そこを安全にさせるしかない。


後宮を作った王様の気持ちがわかると思う、寵妃を数多く集めるということではなく、誰の目にも触れないように奥深く隠しておく。

私より12も年下の女、自分は17の頃、留学生だった。あの頃に作った人脈が役にたってる。

あのアラン王太子も、この美しさではシーリアを嫌うことはなかったのだろう。

齢12歳で24歳の男を虜にした美しさだ、これからもっと華咲くことだろう、私の手で。

シーリアの側にいるのが、誰か知らしめてやりたい、と意図せぬ願望に気づく。

こんな楽しいことになるとは思いもしなかった。


私はなんでもできる子供時代を過ごし、ほっといても女が寄ってくる風貌、金儲けは才能があったと思う、時代が俺の思う通りになった。

何でもできるってのは、当人にとってつまんないものだ、できない人間の気持ちなんてもの、もちろんわからないし、わかろうとも思わない。

これが、人間として問題があるのはわかっているが、不便はない。


これからも、私の時代にしてみせよう、私のクイーンの側に置くのは、ビショップかナイトか、切り込み隊長はシュバルツだろう、あいつの時を読む感はたいしたものだ、切り込み隊長なのに、保身能力がすごい、逃げることへのプライドを持ってないので、使える。


まずはブリューダルの革命が終わってからだ。

マクレンジー商会が援助して革命を失敗させることはできない。


王の首を取るのは簡単だが、その後が革命の正否を決める。

首を取るのは王と王妃だけでは足りないな、5歳の孫王子もいたな。

王と王妃、王太子、孫王子、第2王子、王太子妃と王女はどうする、売るか、どこに売る?

やはり、現地に行かねばなるまい、国民の感情も満たせてやらないとな。


革命に投資した資金の回収はどこでしようか。

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