愛って
リヒトールとシーリアに戻ります。
「あの女性達は、革命前から調べてリストにあげてありました、まともな感覚であろう貴族として。
だから、すぐに召集できたのです。
活躍のあった革命軍の兵士に報奨の一部と考えてました。
革命軍だけでは、人手が足りないのはわかりきってましたし、革命軍の中で文官として、使えるのは極端に少ないですから、貴族男性の中で、革命で生かすものリストも用意してありました。
あくまでも、情報を元にですから実物と会って処遇を決めました。
この国に革命はさけれませんでした、決して不作でない年なのに、飢餓で毎年、万に近い数が亡くなっているのです。
でもそれで、国を潰すわけにいかないのです、革命の後、すぐに機能できる準備が重要でした。」
私に説明してくれるのは、リヒト様の側近の一人で、ケインズ様。
それで納得した、順応性の高い女性達がすぐに用意されたことを。
数少ない、この国の横暴な貴族らしくない女性達。
私はマクレンジー邸のリヒト様の執務室で、お茶してる、リヒト様からお土産に美味しい焼き菓子をいただいたの。
側近に用意させたのはバレバレなんだけど、それでも周りがビックリしたと聞く。
そっとリヒト様を仰ぎ見る、書類を、読んでいるのか、集中した瞳は深い緑「かっこいい。」
つぶやきが聞こえたのか、ケインズ様が吹き出している、
「鎖は決定だからな。」リヒト様が、顔も上げずに言う。
「リヒト様かっこいい。すごくかっこいい。メロメロですから鎖はいらないです。
それに、もう教会で私のすることはなくなりそうです。この国の人達に任せられそうなの。」
「シーリア様が、こんなに行動的とは存じませんでした。」
ケインズが書類を束ねながら言った。
「私もここで初めて知りましたわ、好きな人に好きって言える幸せを。私、変わりましたの。」
リヒト様の側にいると、気持ちが高揚する、見ていたい、見てもらいたい。
それが行動の原動力になっている気がする。
今までは、王太子の婚約者として、周りの目を気にして行動していたと思う、
今は、他の人はどうでもいい、リヒト様だけに見られたらいい。
どうしてリヒト様かはわからない、12歳のあの日から、ずっと囚われてると思う、
彼にどう思われてるかって、悩むことに。
これからも、ずっと好かれていたい、私以外を見ないで欲しい。
欲張りな私、最初は見るだけでよかったのに、どんどん欲が膨らむ。
もっと綺麗になりたい、魅力的でありたいけど、魅力ってどうすればなれるの?
答えはわからない。
できることが増えたら、わかるかな?
価値のある人間になれたらわかるかな?
リアが私を見てる、視線が外れると気になる、他に目を移すなと。
12歳の少女を見染めるとは、とんでもない変態だとわかってる、いくらでも妖艶な美女がいるのに、なんでも手に入るのに。
王太子の婚約者で手に入らないから焦がれたのか、大人の女に飽きたのか、とさえ思った。
気が付くと、リアを手に入れるための策略を練っていた、王太子が手をだすんじゃないかと不安になり、間に合わないかと焦った。
17歳の今は輝くばかりの美しさだ。
絶世の美女と言われるのを何人も抱いたが、すぐに飽きた。
リアに飽きることはない、出張からそのまま王宮の会議に出たが、あの部屋に入ってきたリアに目を奪われた、輝くような眩しさが君からあふれ出てた。
フードを外すと、あふれんばかりのシルバーブロンド、私のものだ、髪の1本までゆずらない、あの手もあの声も私のものだ。
どうして君なんだとか、問いは無駄だ、答えがあるのだから、
この先、リア、君が俺を嫌いになっても逃がすものか、血の一滴まで私のものだ。
そろそろ、この国ですることも終わりにしよう、いくらでもキリがない、とりあえずの目途はたったから、もう私でなくてもいい、しばらくは、シュバルツと何人か置いて、ヒステン王国に移動してもいいだろう、シーリアを手にいれた今、次の段階だ。
準備段階は終わった、これからだ。