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お妃さま誕生物語  作者: violet
本編
18/102

マリーベル

マリーベルとカルバン

これで5人、最後になります。

突然、革命軍が屋敷に来て、王宮に連れて行かれたかと思ったら、平民に文字を教えることになった。

貴族を壊した平民になんて触りたくない、怖い人達ばかり。

平民が貴族に遣えるのは当たり前のこと、貴族は尊い血筋なのよ。


監視役兼護衛って言ってたけど、なんなの、この大きな体、日に焼けてるのか肌黒い、怖い。


あの女も、聖女って言われて何が目的だか、胡散臭い、外国人だっていうし。


嫌い、嫌い、全部嫌い、平民って臭い、ドレスを握らないで、汚れちゃうでしょ、子供って図々しいんだから。


「マリーベル。」

返事したりしないわ、紳士はもっとスマートだもの、こんな巨体じゃない、嫌いよ。


「すねてるのか、わがままだな。さすが貴族の腐った令嬢。」

なんですってーーーーーーーー!

「お前は、ここに文字を教えに来た、本を読めるようにさせないといけない、

自分の価値をアピールしないと生き残れないってわかってるのか?」

「じゃ、殺せばいいじゃない!」


「俺たちは貴族全部殺したいぐらい憎い、でもそれじゃ貴族と一緒。

他人の命をもて遊んだりしない、必要な人間に必要なものを与える。」


小さな女の子が私の手を握った。

「お姉ちゃん、怖い顔してる、貴族様みたいだよ。

貴族様は怖いんだよ、

お金を払わないで、お店の物を持って行くんだ、だから、食べ物を買うお金がないの。

ここで勉強したら、母さんのお店手伝えるんだ。仕入にだって行ける。

朝と夜にご飯が食べれるようになりたい、汁だけのスープじゃお腹すいちゃうから。」

返す言葉がないとは この事だろう、革命で国の事を知った、

この国では、貴族は悪役だった、自分達の好き放題をし、平民に押し付けた、殺される程のことを長い年月続けてきた、

知らなかった時には戻れない。

声が震える

「私は、私は…」

「マリーベル、泣いていいんだよ。」

「そんなこと、できない、逃げるなんてできない。」


「俺の名前は、カルバン・キッシーニという、カルバンと呼べ。」


「お姉ちゃん、うちのスープは汁だけだけど、母さんが作るの温かいんだよ、すごく美味しい。

今度、母さんに作り方聞いてくる、食べたら怖くなくなるよ。」

「カルバン、私どうしたらいいの、何も知らなかったの、何もしてこなかったの。」

「俺が教えてやるよ、俺のスープも旨いだんぜ。」

「私、料理なんてできない。」

「文字も計算も教えれるじゃないか、それでおあいこだ。」


カルバンが私のほっぺをつまんできた、

「ほら、泣いてるのはほっぺたが痛いからだぞ。」

本当に痛いんだから、このバカ力、泣きたくないのに。


「痛い。」

小さく漏れた言葉に、あわてふためいてる、

そんなに優しくされると辛い。

私は、知らないで、どんなことをしてきたのか、恐い。


「マリーベル。」

カルバンが私の名を呼ぶ。

例え、何をなくしても誇りだけはなくしたくない。

「いらっしゃい、文字の練習をしましょ。」

女の子の手を握り返した。


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