突然なのですが……?
ヒロインが思い出した様にパンっと手を叩いた。何事か良く分からないが、誰も居なかったはずのヒロインの隣に人が立っている。
「自己紹介が遅れましたね。私は藤之宮姫葵。鬼の一族の末裔ですの。こちらの2人は一応私の護衛ですわ。」
藤之宮さんは美しく長い黒髪の真っ赤な瞳をしている。似たようなカラーリングの人を3人知っているが、藤之宮さんが一番異国情緒溢れるエキゾチックな美人さんだ。そして藤之宮さんが護衛として紹介した2人は変わった人達だった。1人は美しい絹のような銀糸の髪を一つに纏めあげ狐のお面を被った獣耳の付いた男性だった。獣耳は何の耳なのか良く分からないが、肉厚な感じからイヌ科のような気もする。もう1人は朱色の短髪に真っ赤な天狗のお面を被った男性だ。天狗が履くような下駄を履いている。それ故か背が凄く高い様に思えた。
「桐の葉と申します。九尾の狐にございます。」
桐の葉さんは少し女性的な声をしている。温かみのある落ち着く声だ。
「樫木だ。」
樫木さんは低くて腰に響く様な声だ。所詮イケボと言う奴だ。少し声が通りにくい様な印象がある。
「樫木は天狗ですの。私達みんな妖怪なのよ。」
この世の美形はみんな人外って決まってるんですか?桐の葉さんも樫木さんもお面だからイケメンかとうかはよく分からないけどレイ君も副会長も先生も藤之宮さんも人外だ。シル様とシモン君は人間だけど、シル様に至ってはツンヤンと言う論外属性が付随している。最近はヤンデレにシフトチェンジして来ていが。シモン君はいい子だ。
そんなどうでもいい事を考えていたら藤之宮さんに耳打ちされた。
「桐の葉も樫木も攻略対象だけど、私はカッシア以外を攻略する気は無いから安心してね。」
そんな事を言って可愛らしくウインクするので少しドキドキしてしまったのは秘密だ。永遠の。
「まぁ、カッシアには桐の葉とも樫木とも仲良くして欲しいわ。」
「あの……カッ……カッシア・フォン・サンドリヨンです……よろしくお願いします。」
自己紹介をされておきながら自分は名乗っていなかった事を思い出した。よく出来ましたとでも言いたげに頭を撫でる藤之宮さんに私が小学生ではない事を伝えたくなった。
もう新しいキャラは出ませんっ!!
と思いたいです。
もう1人鈴乃という猫又を出したかったのですが却下しました……(´・ω・`)
いつか鈴乃さんが登場する短編でも書きたいですね。