とりあえず逃げます!!
副会長に首筋を噛まれた時同様逃げ出します。もちろん、廊下を走る事は許されません。まぁ、そこら辺は前世と同じですね?前世での陸上競技部の生徒もビックリな速さで走れるカッシアには驚きます。まぁ彼女は腐っても令嬢だったので何かしら運動はしていたのでしょうね……
暫く逃げてまた、迷子になりかけます。もちろん、今は妖精さんについて行けばいい事が分かっています。もちろん妖精さんに頼るのは最終手段です。何事も自分で努力してこそ身につくのです!!
「おい!!廊下は走るな。」
……!?シル様ですか!?何故、ここに?と言うよりは、私がシル様のいる所まで来てしまったという方が正しいでしょうか?もちろん、私はさっきまで実習棟にいました。ふと思ったんだが、私が目覚めた時どこに寝てたんだ?もしかして、保健室なのだろうか……
「サンドリヨン様……お怪我を?」
シル様の側仕えをしていると紹介された騎士様に声を掛けられた。たしかウェストミンスター様だったかな?つくづく思うんですけど、副会長のムーンライト様と言い、騎士様のウェストミンスター様と言い名前が長い人はやたら長い。
それより、だ。なぜ、彼は私が怪我をしているのかと聞いたのだろうか?確かに出血は多少している。と言っても殆ど治ってきている。
「まぁそんな事は有りませんわ……少々口癖の悪い吸血鬼さんに噛まれましたの。なんともありませんわ。」
「ライトがか?」
ちょっとシル様!?どうしてそんなに驚いた様な表情をしているのかしら?副会長は基本的に食事を取らない人なのかしら?でも、シモンくんは『やっとお気に入りが見つかりましたか?』って聞いてたよね。つまり、それまでお気に入りはいなかったけど、食事はしてたって事だよね。ますます謎が深まった様な気がします。
「シモンくんにも会いましたが……副会長は特殊な方なのかしら?」
「ああぁ……ウェスト……悪いがコイツを治療してやってくれ。」
「だーかーら!なんとも無いって言ってるでしょ!?お耳が悪いのかしらっ!」
ウェスト様がクスクスと笑いはじめました。そんなに面白い事をしたのでしょうか?それとも、以前のカッシアでは絶対にしないであろう行動をしたのでしょうか?…何となくですが、後者の方が正解に近い気もしますね。
「サン「カッシアでいい……」カッシア様……お気分が優れないのですか?」
違います。笑われてお機嫌が優れないのです。と言うか、ウェスト様よ、分かって聞くなよ。どうも、騎士様はSっ気がある様です。
「お機嫌が優れないのよっ!!」
次はシル様が堪えきれないとでも言いたげに笑いはじめました。そんなに、カッシアのイメージとかけ離れているのだろうか?前世でカッシアの出ていた乙女ゲームはやってない。だから、カッシアがどんな性格なのか検討も着かない。もちろん、カッシアに近づける努力はした方がいいのだろうとは思う。
「まるで、お前が小さな時に戻った様だな……」
「……餓鬼だって言いたい訳なの?」
自己満足で、書いておりますがここまで読んでいただきありがとうございます。
もう少しでメインのヒロインさんに登場して頂きたいです。
若輩者故、拙い部分も多いとは思いますが、暖かく見守って頂ければと思います。
どうぞ、これからもよろしくお願い致します。