賛寒詩音
おめでとう 今日新しく生まれるきみに
何も持たない僕は歌を贈ろう
春を告げる風が留まらなくとも
気まぐれな雨が奪い去っても
必ず新しい春が来るから
詩を詠おう
晩冬の氷柱が時折胸を刺すとも
懊悩の形見が頬つたう昨日も
今日新しく生まれるきみには
追いつけやしない
霧の向こうに行こう
深い霞をぬけて
今年の桜は新しい桜
来る日も来る日も
かじかんだ闇を耐えた息吹
長い冬を抜けてようやくほころぶ蕾
長い冬を耐えてようやくほころぶ桜
おめでとう
今日新しく生まれるきみに
何も持たない僕は祈るよ
真っ白な新しい春が来るから
なんどでもなんどでも
生まれ変わろう