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リリク

 男はスピーシーズと名乗った。

 ユリシーズは拳をつくった。そしてはじまる拳VS刀の対決。

 トールは固唾をのんで見守り、両者は弾けるように戦った。

 勇者に選ばれたものは自然意思によって卓越した身体能力を手に入れる。そして恐ろしい思考能力も。空間を一瞬にして把握し、崖を飛び、岩をよける。切り立った山々の間をコンドルのように舞った。

「自然意思は俺を選んだ!」スピーシーズは叫ぶ。

「違う! 俺こそ勇者だ!」ユリシーズは叫び返した。

 スピーシーズは刀を振り回し、風を切り、地面をえぐった。

 ユリシーズは崖を蹴って、身体を真横にすると風圧を突き抜けて必殺の拳を見舞った。

 スピーシーズは顔をえぐられてよろめき、崖から墜落した。


「見事じゃ!」

 トールが叫んだ。

 ユリシーズは気づいた。全身を切りつけられている。

「おいおいおい! 聞いてねえよ! やどよ! 切られてるじゃん!」

「落ち着くがいい、勇者よ。汝は勝ったのじゃ」

「ひとまずな! 勇者はあいつだけじゃないんだろ?」

「さすが勇者じゃ、無意識感覚も冴えておる」

「なんだよそれ?」

「無意識感覚とは勇者だかが持つ特殊能力じゃ。いわゆる直観というやつじゃな。巨大なる悪や敵の存在を察知する能力じゃよ」

「ふーん」

「よろしい。わしは汝の賢者になろう」

「それは、どうも」


 ふたりがべちゃくちゃとしゃべっていると、一筋の光。

 キラキラと舞う蝶があらわれた。

 蝶は突然、白い光を放つと、光線とともにひろがり、ひとりの美少女になった。豊満な胸に麗しい顔。優しげな目に唇。

「あたしは勇者を導く者。賢者の友」

「紹介しよう。彼女はリリク。妖精の一種じゃ。世界の聖脈をコネクトしておる」

「かわいい……」

「かわいいよの。しかし強いぞ。見せてやれ」

 リリクは口を大きく開けると「ばふうううう」と叫び、巨大なオレンジの球体を放った。それが直撃した崖が一瞬にして粉々になった。

「うわああああああ! 近寄るなあああああああ!」とユリシーズ。

「心配ないよ! ユリシーズ。あたしはあなたには撃たないから」

「当然だ! そんなもん撃たれたら木端微塵じゃねえか!」


「ではでは、仲間を集めよう。リリクはわしの精神をコネクトし、聖脈を通じていつでも呼び出せる。知識が必要になったときはわしを呼ぶがいい」


 ともあれユリシーズはリリクとともに仲間集めをはじめた。

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