雨が降る度に。
2011年8月26日に起こった事と、思った事を合わせてまとめてあります。
電車の窓から響く、雨の音。
進行方向から降っている所為か、バチバチと鋭い音をたてている。
家の最寄り駅の1つ手前で下りて、雨の中を独りで歩く。
目的地は、狭いのにバスが通る、このバス通りの先。私の母校だ。
傘から聞こえる雨の音。足下で、ぴちゃぴちゃと鳴きながら大きくなる水溜まり。
車の音、歩く人々、タイヤと水の擦れる音……。
それら全てが相まって、一繋がりの記憶を呼び起こす。
――そういえば、もうすぐ1年か…。――
ふと、思う。
1年なんて、早いものだ。
あんなに周りを巻き込んで。仲違いして。泣いて。怒って。
『あれ』をきっかけに、私の世界は90度変わった。
そんな風に思っていたけど、実際は違うのかもしれない。
『あれ』の後、文化祭以降に何回、会っただろうか?
何回、泣いただろうか?
――正確になど覚えていないので、不等号を用いてみよう。――
答えは、[会った回数>泣いた回数]だ。
そうすると、どうしても“仲違い”が嘘になる。
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」
やっぱり、90度も変わっていない様だ。
だけど、この記憶は、この感覚は、忘れないだろう。
いや、『忘れられない』が正しいか。
最初の好きから、あの子の事まで。
全ての元凶は私なのだから。
だから、『忘れてはいけない』
自分の胸が苦しくなっても。これは、背負うと決めたから。
もう、どんなことがあっても絶対に揃うことのない4人。だからこそ、背負う。
同じ事を繰り返さない為に。
――――びちゃっ
…………………………あ。
そんな事を考えていたら、深い水溜まりに足を突っ込んでいた。
両足とも、水に侵食された。
これから、学校に入ると言うのに。
道の選択を誤った。
本当、雨の日はツイてない…。