襲来
大地の揺れを直に感じる。温かい光と少し強めの風が肩をかすめていく。
「──────っあれ…私寝ていましたか!」
「まだあまり動かない方がいいよ。足にかなりの負担がかかっていたみたい。それにもう少しで国に着くから。」
目が覚めた僕たちは森中を探し回り、そこには疲労
で倒れているアサと、右胸当たりが引き裂かれていた、いやどちらかといえば右半身が吹き飛んで死んでいる助祭の死体があった。その余波は辺りの森や地面を抉り取りとっていた。
スノードロップ襲来まで残り1日
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ホーリーについた僕たちはまず、リッターに報告書を提出した。その後ある男とともに、《やり直し》についてアイとアサに告げた。
「なるほど…それで、何度も時計を確認したり、日にちを確認していたのですね。」
「なんだか、よくわからないけど、スノードロップって神父が、国に来るから、戦えばいいってこと?」
「そうだ。俺も実際に聞いただけで、奴の能力を見て、触れたのはユイトお前だけだ。最後の作戦会議をするぞ。
まず、大前提としてこんなあやふやな情報では小隊一つとして、動かせない。リッターの力を借りれるのはことが起こってからだ。ユイトの話だと氷は魔力で防げるから、前回と同じ時間帯は兵士達は魔力を出させとく。また、俺や兵士達は、助祭達と戦ってからで無いと、お前たちの元にはいけない。つまりは俺たちが来るまでお前達だけで、スノードロップから、俺たちが来るまでの時間を稼ぐんだ。最低でも30分はかかる。その時間稼ぎの成功に一つの国が滅ぶ、滅ばないがかかっている。」
全員が息を飲み、冷や汗を垂らしながら覚悟を決め直した。
「それじゃ最後の作戦会議だ!」
スノードロップ襲来まで残り18時間
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新たなる朝日が大地を支配するそんな早朝。今日のために磨いてきた全てを出し尽くすため、1人の男は目を覚ます。
時計の針は午後12時を指し示す。
あの日から、一ヶ月と、二週間長い様で短かった。だが、全ては今目の前にいる男のために牙を磨くための時間だ。
「───────おや?この時間にここに来る兵士はいないはず…」
「────久しぶりだな。いや初めましてかな?
スノードロップッ!!」
スノードロップ襲来