再会を夢見て…
その後僕たちは、一晩寝過ごし、村長さんや村の人々に挨拶をし、村を後にした。
スノードロップ襲来まで残り2日
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「なんだか、来た時より長く歩いている気がしませんか?」
「確かになんか長いよね」
二人の話を聞き、確かに何かおかしいと思い時計を見るとそこには昼休憩から6時間たっていた。だがそれはおかしい。昼休憩の時から太陽の位置が全く変わっていないからだ。
「敵の幻術にハマっているな。」
「そう見たいだね」
「どうしますか?これほどの幻術。溶けたとしても一人までです。その一人が幻術使いを倒さないと一生このままですよ。」
「僕はまだ魔力が完全じゃないし、アイも戦闘となればあまり信用はできない。消去法で、アサになるけど、それでもいい?」
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目が覚めるとそこには陽光はなく、当たりは月明かりが照らす晴天の夜だった。
「やはり昼休憩の時に、幻術を喰らったんだ」
早く皆さんを起こさないと本格的にまずいですね。幻術は12時間を超えると目覚める確率がグンと下がります。それだけじゃ無いあの幻術には、正確な時間を示す時計があったことから、より強い幻術がかかっているはず。一刻も争う事態。ただここまで強い幻術だと、術者はそう遠くに行くことはできないはず…
アサは草木をかき分け、術者の元へと駆け抜ける。それは全て託された事への責任より、また2人と楽しく旅をしたいそんな一心で体を突き動かしていた。
「──────なるほど幻術の逆探知か…やるね君」
黒いコートの背中に大量の鳩が縫いつけられた服を着た黒髪のエメラルドグリーン色の瞳の少年が浅めの洞窟に鎮座していた。
「君分かっていてやっていたのなら、重罪ですよ。」
その問いかけに少年は鼻で笑いながら「分かってるに決まってんじゃん」と言い放った。
「そうですか…ではッ!」
『サイクロンカッターッ!!』
無数のカマイタチが少年に襲いかかった。
『────砲雷ッ!!』
少年は術で見事に全てのカマイタチを叩き落とした。
「僕は絶対平和神教第一教会助祭 トラオム トロイメライと申します。」