まとわりつく呪い
なんなの?これ…急に体の自由が効かない…それに魔力操作もままならない
アサは宿屋のベットの上で身動きが取れずにいた。そんな時誰かが、部屋のドアを開ける音がアサの耳に届く。
「アイ?アイなの?体が動かなくて」
そこまでいい終えると部屋に入って来た何者かの姿が見えた。
「いや俺だよ」
「ハルマ!?どうしたの?ここ私の部屋…いやそれより私体が」
「多分今この国にいる人全てが対象なんだと思う」
「それってどういう」
「簡単だよ…テロだ。そして考えられる狙いは二つ、一つは《英雄殺し》ユイトが死んだとされた時から世界中で犯罪や恐慌が始まったのだろう?だが、ユイトは生きて、再び国を救った。その事により世界はユイトが消える前に戻りつつある。奴らはそれが不都合なんだろう」
「ユイトが邪魔って…ならなんでタイテンを狙わないの?それにまだオータスが封印から目覚めていないからユイトが消える前まで戻ることはないんじゃ?」
「その二つも簡単に理由付けができる。タイテンを狙わなかった理由は正しく僕らだよ。はっきりと言うが、今第七隊は他の隊に比べて圧倒的な戦力を持っている。それは何度もあったタイテン襲撃で分かっている。だからこそ近場でかつ戦力が第七より弱いここを狙ったんだ。そしてユイトが生きていて面倒なのは《最強》や《希望》じゃなく、《英雄》なところだ。仲間に最強の者や強い希望を持った者がいても、恐怖には叶わない。だが、絶対的な恐怖を乗り越えた…先の存在それが《英雄》なんだ。彼がいる。それはまさに乗り越えられるに違わないんだ。だからこそ奴らは《英雄》を狙うんだ。そして奴らはこの国の全てを人質にテロを起こした」
「なるほど…確かにそれならありえる。ならもう一つは?」
アサの問いにハルマは頷きながら再び話し始めた。
「もう一つの可能性は…三大魔獣だ」
「───三大魔獣!!でもなんでテロリストはここに三大魔獣が封印されてるって!」
「まぁまだ可能性の話だ。だがもし三大魔獣なら開封するのに『五十無双封印・開錠』と言う『五十無双封印』を解くための、古代魔法が必要なる。だが、まだそれは見つかってないのだろう?つまり結局の所開けられず、国が占拠されるだけで復活の心配はしなくても大丈夫だとは思うが…?」
アサの顔が見る見る内に真っ青に変わっていく。ハルマは嫌な予感と感じながら恐る恐る聞いた。
「確かに『五十無双封印』に付いて書かれた魔導書は見つかっていないけれど、もしテロリストがアイツと…スノードロップと繋がっているなら…封印は開錠される…!!」