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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第六章 君は彼を理解する
122/125

歪んだ空

ユイトは翼を大きく羽ばたいて宙へ飛び、ファルに強力な連撃を喰らわせ、地面に落ちるファルを落ちないように下から再び蹴り上げる。 


「しつ…こいッ!!」 


空で身動きが取れないファルは怒りに身を任せ、全身から魔力を放つ 


溜放者オーバーチャージ周囲放出フルバースト』  


辺りに光線の様な攻撃が150発放たれる。それを見てユイトは土人形を発動し、全てを受け止めた。 


「受け止めた…!」 


「あぁ…僕は《英雄》だからね」 


土人形がファルの周囲放出フルバーストを受け止めている間に凄まじい速さで移動したユイトが呟くと、ファルに魔岩を喰らわせ吹き飛ばす。 


「お前に出来て…俺に出来ないはずがない!!」 


ファルはそう叫ぶと背中と足から大量の魔力を放出し、ユイトに向かって空を飛びながら術を放った 


溜放者オーバーチャージ一撃粉砕グラスターッ!!』 


白岩真拳センコウッ!!!』 


二人の拳が激しくぶつかり合うが、ファルの出力にユイトは負け、地面に叩きつけられる。 


まさか空まで飛べる様になるとは…ついこの間まで魔力が使えなかったはずなのに…恐るべき才能とセンス…時間をかければかけるほど不利すぎる。早く終わらせないと…


「《ヤマタノオロチ》」 


体から生えていた羽が消え、大量の武器が代わりに現れる。ユイトはさらに《雷人化》を発動し、降り立ったファルの猛攻を全て相殺し、《エクスカリバー》を引き抜き、ファルの胸部を切り付ける。 


土龍山岩ウルティクロス・ドラゴニクト』 


傷口を抉る様に放たれた術は最も容易く破壊されたが、再びファルを宙に打ち上げた。ユイトは土作柱を瞬時に発動し、その勢いを使い宙に飛んだ。 


「誰も…誰もッ!!こんな正解なんか認めるかッ!!」 


溜放者オーバーチャージ一点集中フルアタックッ!!』 


怒りに顔を歪ませたファルの攻撃をユイトは自身の右腕にガイアの右腕を纏わせ、そのぶつかり合いで相殺しようとしていたが、左から突如として現れたもう一本の一点集中フルアタックによって再び地面に撃ち落とされる。 


一点集中フルアタックがもう一本…!それに曲がった。本当に恐ろしい才能とセンス。だが、早くに力をつけたせいで″弱点″もわかりやすい。 


「今ので確信した。お前は俺に負ける」 


「さっきから防御ばかりしているお前に?舐めるなよッ!!正解を作れなかった《英雄》が!!」

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