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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第六章 君は彼を理解する
120/125

翼…再び

「ユイト隊長!これを!」 


これは…第二隊から…?しかもsos信号付き…


第二隊から届いた魔伝の内容を要約すると、オクトプスの周りの警備をしていたら突然結界が貼られ、誰も入ることができない状況になってしまった。中とも連絡が取れず、近くの第七隊に救助を求めたと言う物だった。 


「アルファルク…どうやら本当のことみたいだな」 


「だがまだアイ達がいるとは限らないだろ?特別な思い入れがあるわけじゃないなら俺たちが急いで行くより他の隊と協力して」 


「いるよ…秘密でみんなが行くって言ってたから」  

 

あれ?僕…ハブられた? 


「とにかくこれで俺の事を信じてくれるかい?」 


「あ…あぁ信じるよ…ミラオレンスで近くまで飛ばしてくれ」 


「了解」 


アルファルクは近場の鏡に触れ、魔力を込めるとそのまま中に入った。 


「ユイト…みんなを助けて」

 

「こっちの警護は任せておけ!だから安心して勝ってこい!」 


「──────行ってきます」 


────────────────────────

 

「この鏡を出てすぐにオクトプスだ。それと最後に一つ…もしアサヒが義手を付けていたら気をつけろ。どんな術が組み込まれた魔道具なのか、までは時間が無くて調べられなかったが、意識はしておけ」 


「分かった」 


ユイトはアルファルクにそう言い残すと鏡をくぐる。 

 

「えっユイト様!?何故鏡から!?」 


「あなたが魔伝の?」 

 

ユイトが出てきた場所はオクルパス付近にある村…ガテン村の緊急用仮設対策テントに置いてある立て鏡だった。アルファルクが場所をここにしてくれたおかげで探す手間なく、すんなりと話を済ますことができた。


「な…なるほど。我々はここで待機し、村の警備をすると」 


「そうですね。あの結界は僕しか入れない様ですから。村の警備は任せます」 


「了解しました」 


ユイトは手短に話を済ませ、指示をすませるとテントから出て、ヤタガラスを発動しそのまま空へと飛んだ。 

 


────────────────────────


「きた」 


アサヒはそう呟き、ユイトのいる方に目を凝らしてみるとそこには一本の刀を鞘から引き抜き、右手でしっかりと握りしめながら、大きな黒い翼で羽ばたきこちらに向かってまっすぐ飛ぶユイトの姿が映った。その瞬間ファルは狂った様に魔力を放出しながら跳んでいった。 


「追いかけなくていいのか?お前の獲物でもあるんだろう?」 


「だからこそその思いは痛いほど分かる。それに俺の獲物は一人じゃない。アイツの目の前でぐちゃぐちゃに殺してやる…そのあとアイツが憎しみを抱きながら死ぬのを見ると言うのも中々いいだろう?」 


「あぁそう。ならそのもう一人の方に君は行くのかい?」 


「あぁ」 


アサヒはそう言い残すとユイトとは違う方向に跳び去った。

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