白い月
やはり古文書に記されていた通りの威力だが、まさか一瞬で俺の魔力がすっからかんになっちまうとはな。だがこれでもうあいつの顔を見なくて済む…
そんな考えをし全て終わったと思った矢先、そこには馴染みのある顔をした、幼馴染が居た。
「──なんで何でお前は生きているッ!ユイト!!」
「───────アサヒ僕はお前をこの手で殺すよ」
『土作柱ッ!!』
そうユイトが呪文を唱えるとユイトの足場が物凄いスピードでアサヒの方へと伸びた。
僕は腰に携えていた極帝で襲いかかり、頭と、右肩、左脇腹、右腕、左足、と、見えないほどのスピードで、順々にアサヒの体を極帝で、叩きのめしたが、経験の差がここで出てしまった。一瞬の隙で、極帝をアサヒの刀で、弾かれてしまった。
「俺がいる事を忘れていないか?」頭の中に響くその声は背中に背負っていた刀からだった。「君は残念だけど使わない。」「なんで!今のチャンスを逃したらもうアサヒとは戦えないんだぞ!」そう語りかけてくる刀を無視し、ローズとの会話を思い出していた。
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「ユイトその背中の刀はどこで拾った。」
「たしか、村に刺さっていたのを引っこ抜いたんです」
「───────なるほど…」
そうローズがまさに口からこぼれたかの様な声を出した後にすぐ何かを決意した様な顔をしていた。
「これからお前に教えるのは、とてつもなく難しく、あのオータスですら使えない。そんな技を教える。それを必ずお前は覚えなくてはいけない。その刀を使わなくていい様にな…」
そう言った理由までは聞かなかったが、ローズは僕があの刀を使うのをどうしても止めたいみたいだった。
「まずは魔力を手に集中させ、手の上に魔球を作るんだ!こんな感じにな」
そう言って見せてくれたのは白くて美しいまるでそれは、月の様だった
「それが出来たら、お前の性質…土で周りだけを囲うんだ!中身はただの魔力のままにしておくんだぞ!
俺の性質は風だから、それで作ると、こうなるな。」
そう言いながら作ったローズの魔球には、だんだんと風の膜が出来ていた。それは小さな台風の様で綺麗だった。
「それが出来たら、相手に思いっきりぶつけるんだ!そうすると、不安定な状態の魔力は強い衝撃と別の魔力…つまりは相手の魔力で、ドンッ!!と爆発する。それこそが、お前の必殺技…『魔岩』だ。この技は相手が多かったり、長期戦、またはデカい技を撃ったばかりとかだっとより爆発力が高まる。」