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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第六章 君は彼を理解する
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何故それを

久々に疲れが取れたユイトは早めに就寝し朝を迎えた。 


「久々の朝日は綺麗だな…」 


冷たい風が髪を撫でる様に吹くそんな朝。ユイトは以前少女にあげた一輪の花と、同じ種の花を植えた花壇の前に立ち、手を合わせて黙祷する。同じ過ちは繰り返さないと違う。10分ほどの黙祷を終えユイトは城の周りを散歩する。 


復興が前に比べてだいぶ早いな…復興作業する機会が多かったからかな… もう大体の建物は治っている。避難民も徐々に家に帰れている様だし、怪我人もアイが皆直したし。あとは…和神教を完全制圧か、和平条約を結ぶかだな。残りの神父もアルファルクとマイヌ、そしてアサヒのみ。奴らもそこまで馬鹿じゃないはず。アサヒはきっと聞かないだろうけど、他二人はまだ話ができるから……聞いてくれるかな…


ユイトはふんわりとそんなことを考えていたら知っている魔力を感じた。だがそれは敵意や殺意などはなく、ただ話しをしたいように感じた。その魔力に誘われるようにユイトは静かに向かった。

 

「やっぱり……なんでお前がここにいるんだよアルファルク」 


「やっと来てくれた…遅いぞユイト。昨日からいたのに俺が魔力を解放しなければ気付かないなんて《英雄》も落ちたな」 


路地にある一本の淡い青色の葉を持つ木。何故青色の葉になるのかは分からないが、タイテンでも人気スポットだ。そんな場所にいるアルファルクにユイトはますます疑問を隠せなかった。 


「なんだい?俺が一人でここに居るのが悪いかよ…今はそんな事を話している時間はない。一つ聞きたいお前は俺を信じ、危害を加えないと約束できるか?」 


「おいおいそんな話だれ」 


「聞かなきゃ後悔するぞ?仲間…大事なんだろ?」 


その言葉を聞いてユイトは目を大きくしてアルファルクの服を掴み声を荒げる。 


「どう言う意味だッ!!アルファルクッ!!!」 


「落ち着けよユイト。仲間を攫ったのは俺じゃないその話をする前に俺の質問に答えろ…俺の話を信じ、危害を加えない、俺を守ると」 


「一つ増えてるぞアルファルク…」 


「仕方ないだろ俺めちゃくちゃ弱いからな!」 


そんな会話をしている二人の話を裂く様にジックが《バニラ》を使いアルファルクに向かって突撃する。ユイトはそれを見た瞬間エクスアップを引き抜き、バニラを迎え撃つ。その瞬間激しい金属音が辺りに鳴り響いた。 


「何故止めるッ!!ユイト!!」 


「コイツには聞かなきゃいけない事が山ほどある!!」 


「その行動は…承諾ってことだね?約束通り仲間の居場所と敵の数、魔術も教えよう。それと出来ればその物騒なものを下ろしてくれると助かるな…元《五天王》ジック・ウライいや、浦川仁くん」

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