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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第六章 君は彼を理解する
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プレゼント

「アサちゃんは何を買うの?」 


「私は」 


「おや?そこの常軌を逸脱した美貌を持った彼女とその周りにいるのは……やっぱり!!ひっさびさにあえたね〜〜俺のハニー!アサちゃん!!それに君達は第七隊のアイさんにヤヨイさん!買い物かい?それなら連絡くらいくれたら良かったのに!俺が」 


謎のキラキラした青年はそこまで言うとアサに股間を蹴られ悶絶しながら地面に倒れた。真っ白な髪が鼻血で染まるくらい蹴られながらも顔には笑みが溢れていた。暴走したアサを二人はなんとか抑え、落ち着かせ話を聞いた。


「アサちゃんの知り合い?」 


「かなりの変人だね…蹴られて笑ってるよ…」

 

「この燃えるゴミ以下のカスはカス・カスオですよ」 

「違うよッ!!」 


「うわッ!!動いた!!」 


目元に涙を浮かべるヤヨイは、このイかれた青年の黒い瞳がいまだにアサを見つめ、その瞳に焼き付けようとしていることに恐怖したのか、はたまたいつも冷静で手が出ることのないアサが躊躇なくボッコボコにしたことに恐怖したのか、どっちなのだろうとアイが考えていると男は鼻血をハンカチで拭き、自己紹介を勝手に始めた。 


「俺は第二隊隊長ヨア・ケースト…アサの幼馴染であり!お」 


そこまで聞くとアサは迫力満点の回し蹴りをヨアの顔面に食らわせた。鈍い音と共に大量の血を吐き出しながら吹っ飛ぶヨアを見つめた後アサはクルリと回り、「コイツのことは忘れて買い物に行こー」と言いその場を去った。 


────────────────────────


「ガロンさんー!!人に肌見られたらダメなんですよ!そんなに走らないでくださいー!」 

 

その言葉を聞きガロンは立ち止まり、濃い緑の身を隠していたフード付きマントからフードを取り、前で縛っていた紐も緩め解いた。強い風が吹くとその裸があらわになる。


「どうだ?腕を2本隠せばただの人に見えるだろ?」 


「はい…2メートルに肩幅が僕の二倍以上はある短パン上裸の筋肉ムキムキマンが普通なら…」 


「───俺がユイトにプレゼントするのは」 


確かにと思いスルーし話を戻したガロンだった。 


「───────こっ…これはッ!!」 


ガロンがプレゼントを買う店に着き、中に入り商品を見たハルマは興奮を抑えられずにいた。 


「漢なら誰もが魅せられる物…木刀だッ!!!」 


「ふっふっふ…我がセンスに脱帽だろう?ハルマく〜ん?」 


「先輩…俺一生ついてくっす!!」 


二人は謎の高揚に包まれながら会計へと向かった。

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