夜の太陽
2人の感動的な再会は今まで見た中で最も優しくそして暖かかった。
「なんだか私まで涙が出てきちゃった。」
そうアイが言うのは皆が感じている事を代弁しているかの様だった。
ただ1人を除いて…
「───────村がッ!!」
そうアサが言うと同時に全員が雷に打たれたかの様にじっと、その赤黒い炎を見つめた。
「「この炎はッ!!」」
僕とアイが同時に驚きと恐怖の記憶が蘇る。 「アサヒが来ている」 考えつくまでに時間は必要はなかった。
それからは無我夢中で走った。当たりは魔物がうじゃうじゃといて、アイが危ないと言っていた気がしたが、その言葉で容易に止まれるほど、ユイトの憎しみと確かめたいと言うあの日を否定したい気持ちがユイトの体を突き動かす。
確かにそこには、赤黒く燃えた村に照らされている
アサヒがいた。だがその顔は、たった一冊の古びた本に向けられていた。
「───────アサヒッ!!」
その懐かしい声に少しだけ肩を揺らしていたが、その顔は何か遠くのものを見つめているかの様だった。
「なんだまだ生きていたのかほんと、相変わらず運だけはいいな。だか、そろそろお前の顔を見るのは飽きた。」
『炎斬』
そう言うとアサヒは赤黒い炎を刀に纏わせそして勢いよく振りかざした。その炎はとてつもないほどの勢いでユイトの方へと飛んできた。
『土門ッ!』
そう唱えると大地から高さ5メートルほどの、巨大な壁を作り出し、アサヒの炎斬を見事防ぎ切った
「何も成長しているのは、君だけじゃない!」
「ならこれならどうだ!」
そう言うとアサヒはとてつもない魔力で初めて聞く呪文を放った。
『─────奥義─作炎・鳥神ケーオフローガ』
その炎は夜をも昼へと変え辺りを赤黒い炎で満ち照らしていた。それはまるで、この世の終わりを告げているかの様だった。
「───────危なかった間一髪の所で地面の中に隠れる事が出来たが地上はどうなっているんだ?」
地上になんとか出る事が出来たが、そこにあったのは
燃え尽きたあの日より酷い村だった物だった。
「───────オェッ」
なんで守れなかった。何のための時間だったのか。醜く生き残るための力だったのか。何故何故何故何故何故
───────気持ち悪い───────