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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第五章 思いと願いを現実に
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黒い雷

黒いパーカーの様な姿となった魔力に身を包み、体からは常にバチバチと音を立てながら放出される雷によってユイトは攻防一体の鎧を手にする。瞬きの内に数百発の拳をかわす彼らの戦いに地面は耐えきれず、辺りの建物を巻き込んで砕ける。これ以上は被害がデカくなるとユイトの強烈な蹴りでスノードロップを遥か彼方に吹き飛ばす。とてつもない速さで蹴り飛ばされたスノードロップにユイトは一瞬で追いつき、地面に叩きつける。そのまま重い一撃をもう一度食らわせようとした時スノードロップが『氷柱』を発動し地面から氷の柱をはやし、ユイトを吹き飛ばす。今度はスノードロップが鋭い一撃をユイトに喰らわせ、ユイトは建物を破壊しながら飛ばされる。 


氷華水塵プラウダーッ!!』 


一瞬でユイトに追いついたスノードロップの左手には中に水が入った氷の球が作られていた。ユイトは直感的にヤバいと感じ、避けようとしたときにはもう遅く、氷華水塵プラウダーを体に叩きつけられた。その瞬間一瞬にして氷で圧縮されていた水が外に溢れ出し、半径5メートル以内の物全てを粉砕する。ユイトはあまりの威力に意識が遠くなるが、アイや仲間達を想い、手に魔力を込めて、スノードロップに向けて放つ。 


『土石龍ッ!!!』 


あっという間に現れた龍はスノードロップの体を中に吹き飛ばし、砕ける。次の瞬間スノードロップの瞳には100に増えたユイトの姿だった。全て左手に魔岩を持ってスノードロップに向かって一直線に飛んでいる。 


こんな小細工をしたところで全く意味がないと何故分からないのだ…!!そもそも土人形ではたいした動きは出来ない!一瞬の動揺や”目隠し”程度…いや!それが目的か!? 


巨爆魔岩サクズームッ!!!!』 


土人形が一瞬で消え、スノードロップが避けるより先にユイトが辺りに漂う魔力を喰らい尽くし今にも暴発しそうな巨爆魔岩サクズームをぶつける。ぶつけた瞬間一瞬にしてホーリーを白色が包み込み、また一瞬で元の色に戻ると、先程より強大な爆発が巻き起こった。それは空で起こったにも関わらず、半径2キロ圏内の全ての大地を溶かし、破壊していた。 


煙の中から黒焦げの手足は千切れているものの、人の形をなんとか保った何かが地面に向かって落っこちる。それは驚異的な再生力でゆっくりではあるが、千切れた手足や黒焦げの表皮を元の姿へと回復させていた。そしてそれは焼けた喉を使い潰すように叫ぶ。 


「ふはははははははッ!!今ッ!今ッ!君がしたことを言ってやろうか!!たった一人のオレを殺すために!!祖国の民をッ!!土地をッ!!消し焼いたのだ!!なのに!たった一人のオレを殺し損ねた!!君はただイタズラに国を焼いただけだッ!!」


魔力を持つ俺たちなら表面が凍るだけで済むが、それでも体外に魔力の鎧を形成しないと芯まで凍りつき死ぬ。逆に言えば、マリョクを持たない平民はすでに死んでいると考えるのが普通だだが、それでもただ助かったかもしれない…分かってる。そんなことはないと。奴はそれを知りながら、僕を挑発するために行っていることも。だが、それでも…いや、だからこそ、 


「お前を殺す」 


ユイトは背中から《アマギリ》を引き抜き、投げる。そのまま《エクスカリバー》も引き抜き、地面からはやし、ユイトの足元まで伸びた土作柱を力強く踏み、一気にスノードロップの元まで飛ぶ。再生により、体が元の姿に戻ったスノードロップの体の線は白色に変わっていた。先の攻防でスノードロップは、《アマギリ》が弾いても回転して切りつけてからユイトの元に戻ることを学習し、凍らせ重さで、回転が不可能にし、無効化する。再び手に氷をまとわり付かせ、刃を作り、《エクスカリバー》と鍔迫り合いを繰り広げた。

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