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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第五章 思いと願いを現実に
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黒と黄色をその身に宿して

爆風により起こった土煙が消えるより先に奴がユイトの首に刃を振るったが、間一髪ユイトはそれを避け、距離を取ろうとするが、そうはさせないと激しい追撃を繰り返し放つ。ユイトは切った服の隙間を除くと体に青い線が現れていた。先程とは見違えるほどの反応速度ととてつもない速さにユイトは後退を余儀なくされる。 


「《ヤマタノオロチ》ッ!」 


一瞬の隙を突いて指輪に触れ、再び体に刃を纏う。背中からもう一本のエクスカリバーを引き抜く。奴の両手を覆う様に生えた氷の刃を一瞬で弾き割り、そのまま首を切り落とす。 


良かった…なんとか倒せた…いや!! 


落ちた頭が首に付き、接断面が一瞬で繋がる。肌に現れていた青の模様は赤に変わり、さらに魔力が濃く、より強大に様変わる。 


「不死身…?それがお前の魔術か…」 


「いや正確には”勝てるまで再生と強化が施される魔術…それが俺の魔術《反逆者リベンジャー》」 


さっきから魔食が反応しない…魔食のイニミタブリーは魔力を奪い喰う力だが、常時発動型の魔術や魔法には効果がない。つまりコイツの魔術は常時発動型。それに奴の両手から生えた氷の刃は常時発動型だから魔食は使うだけ無駄ってことか…正直なところ魔食を完全にマスターしたとは言え、発動中は集中力は下がるし意識が削がれるし、何より繊細な作業すぎて体がすごい疲れる。切れるなら切っといて損はない。 


ユイトはエクスカリバーを背負い、8本のキリグモを引き抜き投げる。スノードロップは全てを一瞬で弾き飛ばし、ユイトに切り掛かる。 


『白岩剣舞ッ!!』 


瞬きより早い時間のうち、ユイトのエクスアップと奴の刃は百を超えるぶつかり合いを繰り広げた。 


『土作柱』 


激しいぶつかり合いの中ユイトはスノードロップの足元の地面から柱を作りスノードロップと強制的に距離を取る。その距離を縮めようとするスノードロップにユイトは背中から2本のブーメラン《アマギリ》を取り出し、時間差を付けて投げ飛ばす。風を切りながらスノードロップの元に向かっていくが、弾かれる。さらに距離を詰めてユイトに刃を振るったその時、後ろから首と右腕を切り裂いてブーメランがユイトの元に戻って行った。 


まさか本当に戻ってくるとは…ミモザはどこでこんな武器を…と言うか使い方くらいおしえてくれてもいいだろ!投げるだけよ?じゃないんだよ!ジックに聞いて見してもらわなければうまく投げられなかったんだけど!? 


ユイトがそんなことを考えながらブーメランを背中にしまい、距離を取ろうとしたその時ユイトの腹部を斬られた。体に現れた赤の模様は黒に変わり、もう”今のユイト”では太刀打ち出来なくなっていた。 


俺はお前を折らせてしまった。しかもその時一瞬良かった囮に逃げれるんじゃって思っちまってた。いまじゃもう会話は出来ないしけど…まだ力を貸してくれるなら…


「頼む…俺に力を貸してくれ!エクスアップッ!!《オーバーフロー》ッ!!!」 


ユイトは勢いよくエクスアップを自身の手に突き刺す。その瞬間ユイトの体は黒い魔力に包まれる。黒い羽衣に身体中を迸る雷を纏ったユイトは力強く奴を蹴り飛ばし、数十メートルほど吹き飛ばした。 


「さぁ第二ラウンド開始だ!」

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