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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第五章 思いと願いを現実に
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氷花の鬼神

肌に触れる風が貫く様な寒さに変わった頃、ユイトの目下には街全体をコールドスリープしたかの様に一見何も変わっていないかの様だが、確かに凍った街があった。ユイトは体が怒りで震えたが、それを飲み込み、押さえ込む。奴がいるであろうホーリーの城《スリガード城》に向けて急降下する。スリガード城の天井を突き破り、最短で奴の目の前に移動する。特徴的な黒髪に真っ赤に染まった赤い瞳。 


「あらあら危なっかしい人ですねぇ…ユイトさん?」 

 

「お前のほうが危ない存在だろ?…絶対平和神教第一神父スノードロップ・ホオズキ…!!!」 


「そんなにそんなに怒らないでくださいよ?あなたが来るのが分かっていながらも、罠や増援を用意しなかっただけ、優しいでしょう?」 


「戦うのが好きなだけだろう?気持ちよく戦うための準備のことを優しいとは言わないんだよ」 


「だってだって仕方ないじゃないか!ずっっっと楽しみだったんだよ?昨日君が帰って来たって聞いた時から」  


以前は彼から溢れる狂気的な笑みと不気味な魔力に気圧されたが、今は違う。彼に対して自身からもプレッシャーを放ち互いに牽制し合うことが出来ている。先程の衝撃で剥がれかけていた壁の氷が剥がれ、地面に落ち、割れたその時彼らは同時に魔法を放った。 


『氷柱』 


『土作柱』 

 

違いの魔法がぶつかり合い、二人の戦いは始まった。ユイトは左手を奴に向けて魔法を放つ。 


『土白雨槍』 


ユイトは牽制として放った術を地面から生やした氷の壁を使い、防ぐ。 


『スノーランス』

 

お返しと言わんばかりに出された大量の氷の槍をユイトは『土門』を使い、防ぐ。ユイトは《雷人化》を発動し、雷をその身に纏う。そのままユイトは左手に魔力を右手にエクスアップを握りしめて走る。一瞬で距離を縮めてきたユイトに感心しつつも、的確に攻撃をいなす。刀による攻撃が外されたらすぐさま左手から『土白雨槍』を放ち距離を離す。この繰り返しにより、ユイトの攻撃はスノードロップの左頬に傷を付けた。スノードロップがついに本気になったのか、瞳の色が真っ青に変わる。立て続けに彼の足から協力な威圧感を感じる。 


「…神足だな?」 


「大大正解だよ!さぁ…楽しもうじゃないか…!」 


スノードロップは両手を氷の刃で包み、ユイトに切り掛かった。神足の力によりユイトが目にも止まらない速さで切り掛かるスノードロップにユイトは急ながらも的確に、そして最速で弾く。そのままユイトは左手からガイアの左手を生やし、城の壁を突き破り外に弾き出す。 


「そうだよ…そうだよ!!!広く!!戦いたいんだよ!!俺は!!!」  


ユイトは指輪に触れ、翼を生やす。後を追う様に空を飛ぶ。スノードロップは空中に氷の結晶を大量に作り出し、圧縮、開放する。棘がびっしりと生えた巨大な結晶がユイトの目の前に現れるが、全てを一瞬で切り刻む。  


土龍山岩ウルティクロス・ドラゴニクトッ!!』 


10体の龍がスノードロップに喰らいつく…が、龍を一瞬で切り刻み、術を放とうとする。 


「させるかぁぁぁぁぁぁぁッ!!『土岩真拳センコウ』ッ!!!」 


スノードロップの腹に強力な一撃が叩きつけられる。そのままスノードロップは一気に地面に叩きつけられた。 


「がはあッ!!」 


大量の血を口から吐き出すスノードロップを見ながらユイトはゆっくりと大地に降り立つ。 


なんとか氷の膜を作って致命傷を避けたか…だが、肋骨の数本は折れているはずだ…


「《ヤマタノオロチ》」 


ユイトの腰から4本ずつ、計8本のナイフ《キリグモ》が現れる。立て続けに、背中には巨大な刃がついたブーメラン《アマギリ》が2本、そしてエクスアップと同じくらいの大きさのエクスカリバーが現れた。 


「楽しむんじゃなかったのか…?スノードロップ…!!!」

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