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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第五章 思いと願いを現実に
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女神の微笑み

「逃げろぉッ!!!」 

 

あまりの迫力に民間人は一斉に逃げ出す。ただ一人の少女を置き去りにして


まずい!もう体が動かねぇ…!!魔法…無理やり同時発動したせいでまだ使えない!!頼む!ヤヨイ!!逃げてくれッ!! 


「でっでも!もう今日の呼び出しブレスレットは使っちゃったから!!」 


「いいから早くッ!!頼むからッ!!」 

 

『奥義─召喚・水神テラッサッ!!!!』 


ガロンの顔が飲み込まれるその瞬間辺りの建物を蹴って飛んできた彼女の術により辺りを飲み込んでいた魔術は引き剥がされ、逆にテラッサに飲み込まれる。そしてテラッサと、共に捩れながら消滅した。 


「ア…アイ!すごい!魔術を消しちゃうなんて!」 


「ふっふーもっと褒めてもいいんだよぉ〜?」 


アイはそう言い終わると地面に倒れたガロンの方に駆け寄り治癒を開始した。 

 

────────────────────────

 

「そういえばアイは作戦じゃこっちに来る事無かったよね?こっちにきて大丈夫?」 


「うん。私のところにはユイトが来たから、ユイトに任せたの」 


「それじゃあやっぱりさっきの雨は…」 


「うん…ユイトがやったみたい…一撃で攻めてきた和神教の8割くらいを消し炭に…帰ってきと欲しいって思っていたけどここまで強くなって帰ってくるとは思わなかったね…いつか私達が弱いからって置いていったりしないかなぁ?幼馴染として不安だよ〜」 


「あっはははッ!そんな人じゃないでしょ?ユイト隊長は……でも私達強くならないとだね…今回で思い知らされた。大切な人が死んじゃうかもだったのに私何も出来なかった」 


────────────────────────


光の雨が辺りを貫く時、彼は空ではなく目の前にいる今殺したはずの男がいた。 


「こんなにロマンティックなのに俺ばっかりみやがって照れるだろ〜」 


「なぜ…いやオータスを除けば世界最速の男。当然といえば当然か…」 


「さぁ第二ラウンドだッ!!」 


ジックはグリオスに向かって大量の火の玉を作り出し突撃させる。当然全てを一瞬で逸らす。それを見てジックはなにかを確信したのか、ニヤリと笑い『炎塵粉』を発動する。辺りはたちまち灰色の塵と黒色の粉に包まれる。 


なんだ…何がしたいんだ…アイツは…こんなの目眩しにもならないぞ…


がっかりしたのかグリオスが深いため息をしたその時瞬間をジックは見逃さなかった


今、吸ったな?空気を!!


やっと見つけたアイツの弱点…それは呼吸だ。アイツは全てを自身から離す力がある。だがそれを全てに適応させてしまえば呼吸ができずに死ぬ。だから空気は適応外にしているはずだ。奴の意識を炎塵粉に向ける事で空気中の二酸化炭素が増えていることに。俺の力じゃ倒せなくても…コイツだけでも殺さないと未来に…俺の望んだ平和な未来につながらない…!! 


なっ……何をした!!急に眩暈…吐き気それに酷い頭痛が…!毒か…!?いや毒は全て弾いてる…ならなんなんだ!これは!? 


「な──に…を」 


「二酸化炭素中毒…空気中の二酸化炭素濃度を30%以上に引き上げると起こる中毒だ。と言っても”この世界の住民のお前じゃ知り得ないものだ。お前が俺みたいに《転生者》じゃなければな”」 


「《転生者》…!!」 


なる…ほど────通りで二酸化なんたらとやらをしっていたのか……いしきが…クソッ────


炎塵粉は綺麗に消え去るとそこには地面に倒れたグリオスと綺麗な空気を深呼吸しならがら大量に摂取するジックの姿が現れた。 


「いや〜危なかった…息を止めといたからなんとかなったけど。コイツ化け物だな…普通すぐに気を失うもんだろ。まさか俺の方が先に死ぬかと思ったぞ…それより…」 


ジックはグリオスに近寄り首元を触る。脈が無いことを確認したジックはグリオスの体を炎で焼いた。その身がたとえ骨だけになろうと塵のみとなろうと、炎の勢いを緩めることはなかった。

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