終わりは突然に…
昔の昔のその昔人々は平和であった。だがある時神の力を持った人が生まれた。人と神の戦争の時代が訪れ血が流れる時代そんな時代に人と神の平和を望む者が2人、人々は彼らを英雄と呼び世界はその者達を中心に瞬く間に平和な時代になったとさ。
「おしまーい」
そう口にしながら飴を配るのは、グリム兄弟の兄ヤーコプ・グリムだ。
彼ら兄弟は、大陸から離れたこの島ツンリ島に7年ほど前から月一回来て今回の様に昔話や王政について知らせに来てくれる。
「ユイトお前は飴要らないのか?」
「いつまでも子供扱いするな!僕はもう14歳だぞ!」
「あんなに小さかったユイトももう14歳か。歳を取ると時間が経つのが早いなぁーな兄貴」
と言うのはヴィルヘルム・グリム、ヤーコプ・グリムの弟だ5年前からヤーコプと共にツンリ島に来る様になった。
その後グリム兄弟は村長に挨拶し島を後にした。家に帰り、ご飯を食べてまた何気ない明日が来るはずだった。
パチパチと音を立てながら黒い煙が立ち込める部屋で幼馴染のアイの顔がうっすらと見える
「起きて!ユイト!早く起きてよ!」
木や肉の焦げたような不快な匂いがして重たい瞼を擦る。そこにはアイが確かにいた。だが、綺麗な薄暗い青色の髪の毛に吸い込まれる様な黒い瞳が、今は赤黒く照らされていることに気づいた。確かに燃えてる。そう家が。
「なんで燃えてるんだ!父さん!母さん!」
「ちょっとその部屋はダメ!見ちゃダメ!」
僕はアイの静止を聞かずに不快な匂いが漏れ出す父さんと母さんの部屋をこじ開けた。ただそこにあったのは父さんと母さんでは無かった。人の形をした何かだった。だがユイトはすぐにそれがなんなのかは想像が付いた。
「なんで?だってこれは」
「危ない!」
家の柱が焼け落ちてきたが間一髪の所でアイが助けてくれた。「早く避難するよ!」とアイが言ってくれなければ僕はもう動けなかったアイが居てくれるのが生きているのが今はとても嬉しかった。
外に出てすぐにわかった。燃えているのは僕の家だけじゃないアイの家も含んだすべての家が燃えていた村は赤黒い炎に包まれていた。
「なんだまだ生き残りがいたのか」
そう口にするのは幼馴染のアサヒだ。手には鍔のない日本刀の様なものと赤黒い炎を持っていた。
「相変わらず運だけはいいみたいだな。だが、焼けた家から出るのにすべての運を使ったみたいだな」
「考えてる様に俺が村を焼いたこの村にいた人を焼き殺した。お前たちを殺して俺の復讐は果たされる。
「さようならだユイト」