属に言う中の人
狭い事務所らしき一室で話し声が聞こえる…
「そんなに滞在しないとダメなんですか!?」
ヒサミロムは、仕事を忘れて感情的に目の前で説明する上司、コンノサナに向かって意見した。
「ですね…簡単に言うと(出たり入ったり)してるとコスト的に、かなりの額になりますので…」
コンノサナは目の前のヒサミロムなど眼中に入れず書類に目線を落としながら事務的に話す。
「その出たり入ったりが問題なんです!!」
ヒサミロムは声を荒らげた。
「まぁまぁ、落ち着いて…」
コンノサナはこの期に及んで、まだヒサミロムと目を合わさない。
「…そもそも、どうしてそんなに長期滞在が必要なんですか?」
怒鳴っても無駄だと一瞬で判断したヒサミロムは、興ざめしたような口調て滞在理由を訪ねた。
「…巨大ロボットと言いましょうか…本社は(行動装壁ブレグ)と呼んでいますが…このブレグは頭蓋部に内蔵型のコックピットがありまして、人体保護の為に人間の脳の様な状態でパイロットが搭乗させる必要があり、セッティングプロセスに時間がかかるのと、後はデータ収集ですね…」
コンノサナは「ロボット」と言う単語のあたりをとても恥ずかしそうに言ったが後はまだヒサミロムとは視線を合わせずに話を続けた…
「…何故、私なのですか?…」
ロムは選ばれた確信を得たくて、少し改まって彼女に尋ねると、
「…ああ…日本人の標準サイズでしたので…」
なんだ、そんな事か…と言う表情でサナは答え、初めてヒサミロムに視線を合わせた。