94/123
夏休み 宝石のメッセージ
夕弦は助手席に座りながら肩越しに振り返り
「…凄いな、ヤル気」
と呟いた。
夕矢は頷いて
「もちろん」
と答え
「三嶋さんには宝石鑑定の勉強もしてもらったけど、実際に宝石を鑑定したことって記憶にない」
と告げた。
剛士は考えながら
「あー、確かに宝石ではなく絵画の鑑定が多かったからな」
と答えた。
夕矢はウトウトしながら
「だから、いい機会だと思って…取り敢えずはヒスイの鑑定…」
とあふぅと息を吐き出すと目を閉じた。
車は海岸沿いの道を南へと進んだ。
陽はゆっくりと空を白く染めながら昇り、糸魚川海岸…通称ヒスイ海岸に着く頃には東の空にその姿を見せていた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




