蓮の守護者の探偵
「特に菱尾湖南の乙女シリーズは数も多いし本当にバラバラだし各美術館もちゃんと管理しているから一つに集めようとするのは難しい」
個人の力ではね
「だからバイヤーじゃないかなぁ」
シリーズものだと4枚のうち3枚揃っていて後一枚なら高く売れるだろ?
夕矢は目を見開き
「確かに!」
と告げた。
春彦は笑顔で
「俺、伝手があるからちょっと連絡してみる」
と告げた。
夕矢は頷いて
「ありがとう、春彦さん!」
と告げた。
春彦は「じゃあ、また」と言うと携帯を切った。
隣で直彦は春彦を見ると
「伝手があるのか?」
と聞いた。
春彦は頷くと
「ほら、一覧くれた人」
持明院壮一郎さんなら詳しいと思って
と告げた。
直彦は笑みを浮かべると
「そうか」
と告げた。
春彦は携帯を手にすると持明院壮一郎に電話を入れた。
ある事件を切っ掛けに懇意にしている古美術商の店主なのだ。
夕矢が待っていた連絡は意外なほど早く入ってきた。
春彦からの着信に夕矢は慌てて出ると
「春彦さん」
と呼びかけた。
春彦は笑顔で
「知り合いの古美術商の人から聞いたんだけど」
最近蒐集家に突然シリーズものを売り込みにくるバイヤーがいるらしいんだ
「『美術商アウター』と言うところらしい」
住所が新潟の中央区なんだけど一応情報を送っておく
と告げた。
「一応、場所も場所だし…調べて損はないかも」
夕矢は頷くと
「ありがとう、春彦さん」
と言いLINEで送られた住所を見て場所を調べた。
美術館から駅を挟んで反対側で少し離れてはいるが車で移動するなら問題はない。
東山公園の近くだ。
つまり、この家から近いということだ。
夕矢は剛士に声を掛けると
「俺、様子見てくる」
と告げた。
剛士は立ち上がると
「あー、じゃあ」
その前にすることがある
と言い携帯を出すと
「住所は?」
と告げた。
夕矢は首を傾げながら言い
「何するの?」
と聞いた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。